Another Steve Jobs ? - Yahooの新しいCEO

2012-07-19 06:43

日本では全く話題になっていないようだが、トラブル続きの米国Yahooの新しいCEOが発表された。Googleの最も初期の従業員の一人であり、ここ数年今ひとつぱっとしなかったMerissa Mayer。

via: The Truth About Marissa Mayer: She Has Two Contrasting Reputations - Business Insider

このニュースを聞いた時「YahooがGoogleの上級幹部を雇った?」という驚きと「Mayerはそんなに実力があるのだろうか」という疑問が頭をもたげた。

でもって昨日読んだ記事によれば、Mayerには大別して2種類の評価があるのだそうな。

Mayerと働いたことがある元Googleの幹部は2度こう言ったとのこと。

"This is a great day for Google, and a nail in the coffin for Yahoo."

via: The Truth About Marissa Mayer: She Has Two Contrasting Reputations - Business Insider

Googleにとっては素晴らしい日。そしてYahooにとっては棺桶に釘が打たれた日。

・Mayerは文字通り一日24時間、週7日働く。
・99%の人間より頭がよい
・他人を使うことができない。だから、彼女の才能を組織の力にすることができない
・彼女にとって「マネージメント」とは脅すか、恥をかかせることだ。
・彼女に5分間会うために、彼女のオフィスの外には人が並んでいた。GoogleのVPも並ばされた。

一方で、そうした「気違いじみた働き方」は20代の頃であり、37になった彼女はもっと成熟してそれほど極端ではなくなった、という意見もあるらしい。

そう聞くと多くの人はSteve Jobsを思い出すに違いない。私も思い出したし、この記事の後半でも言及されている。

いずれにしても、今のYahooが問題を抱えていることには違いない。人間として問題があっても、「仕事ができる。仕事を片付ける」人間がCEOにつくべきだ。そう判断したのだろう。

---------------
先日読んだ本に書いてあったこと

ジョブスはスタンフォード大学の社会心理学者ロデリック・クラマーが言う「偉大なる鬼上司」のひとりである。クラマーによれば、偉大なる鬼上司は、恐怖や威嚇を用いて人々を鼓舞するが、たんなる威張り屋ではない。恐怖心だけでなく、相手を喜ばせたいという願望によって人々を鼓舞する、厳格な父親的存在である。偉大なる鬼上司は、ハリウッド、技術業界、金融業界、政界など、ハイリスク・ハイリターンの世界に多く見られる傾向がある。 この四半世紀、経営者向けのアドバイスといえばほとんどが共感だとか思いやりだとかに焦点をあててきた。指南書のたぐいは、理解や共感を通じたチームワーク構築を奨励する。社員を縮み上がらせて結果を改善するという方法については、論考などないに等しい。だが、リチャード・ニクソンがいみじくも述べている。「人間は愛情ではなく恐怖に反応する。日曜学校では教えてくれないが、それは真実だ」

スティーブジョブスの流儀 p192-193


日本でも時々鬼上司の話は聞く。ワタミの社長とか、孫氏とかね。今トラブルに陥っている家電メーカーも鬼上司をトップに据えては、と思うがそれができるかな?

いずれにせよ、「女性がトップについた」ということだけみて、同じくトラブルを抱えていた三洋電機が、野中某をCEOにしたのと比べるのはとても的はずれであり、失礼なことだ、ということは確かのようだ。

photo 野中氏=昨年11月、Windows Vista発表会で上映された映像より

via: 三洋・野中ともよ会長が辞任 - ITmedia ニュース