言うこととやること

2016-06-23 06:44

空虚なスローガンに価値を見出す人が多いことには、常々驚いている。しかしながらそうしたスローガンには何の意味もない。その会社が提供している製品、サービスをみれば、その会社がどういう会社かはよくわかる。

空虚なスローガンとはどういうものか?例えばこれだ。

2. User First
ユーザ体験を損なうようなことをしない

引用元:なぜレッド・オーシャンのなかビジネスチャットを Wantedly は作っているのか by 岩永 勇輝 | Wantedly, Inc.

これはWantedlyが掲げている三つの行動指針のうちの一つなのだそうな。でもってこの会社が実際に行っていることはこういうこと。

しかし果たして使われるほどの利便性が提供できるのだろうか? そもそもユーザーはどういう質問をするのだろうか? 今の段階で出しても、ユーザーはむしろガッカリしないだろうか? そういう質問に対して相川氏は、次のように語る。

「最初はガッカリさせることもあるかもしれません。でも、それを恐れていたら何もできませんよね。それにチャットだとクエリで検索できないことがどんどん入ってきます。チャットに早く手を出す会社のほうが先に行けると思います」(相川氏)

引用元:ボット相手にチャットで仕事探し―、WantedlyがFacebookボットをリリースするワケ | TechCrunch Japan

ここで同じWantedlyの社員が公言しているのは

「ユーザにゴミのような体験をさせるが、それによって貴重なデータを得て会社は前進することができる!」

という

"Company First"

の宣言である。User Firstが聞いてあきれる。

若いベンチャーだからと生温かい目で見守るべきだ、と理解はしている。しかしこうやってブログなど書き出すのは、私は空疎なスローガンにものすごい嫌悪感を抱くからなのだな。

それは、Sync が Sync の思想を信じるチームによって作られ、
Wantedly のビジョンや文化がそれを支えていることです。
私たちがなんとなくチャットを作っているのであればそれは間違いなく負け戦でしょう。
ですが、「なぜやっているか」を強みだと思っている以上、それは負け戦ではありません。

引用元:なぜレッド・オーシャンのなかビジネスチャットを Wantedly は作っているのか by 岩永 勇輝 | Wantedly, Inc.

こういうことを真顔で書ける人は、間違いなく経営者に愛される。それは経営者及び本人にとって幸せであるとともに、とてもうらやましいことだ。残念ながら私にはできない。