We are stupid

2016-08-03 07:10

私は人のことを多少離れたところから「上から目線で語る」のが大好きだ。しかしこと自分のこととなると「上から目線」で語っているのとは程遠い信じられないような馬鹿なことをやる。(今も多分やっている)

私は目の前のことだけ考え、一歩離れて考えるということは苦手のようだ。そしておそらくそれは私だけではなかろうと思う。東芝不正の内幕を暴いた本にこんなくだりがあるという。

「管理職は冷静に自らの不正を分析していたが、次第に懐かしそうな口調が混じるようになる。そしてこうつぶやいた。

”不正会計の罪悪感よりチャレンジを遂げたという達成感のほうが強かった”」

引用元:敗戦処理経験者も絶賛、「東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇」が始めから終わりまで闇

サラリーマンというのは多かれ少なかれこんなものだと思う。昔航空自衛隊OBのパイロットに「スクランブル発進」の話を聞いた。当時はソ連の航空機が領空侵犯をしていたのだ。(今は知らんよ)戦闘機で近づいていくと、ソ連爆撃機の機銃が全部こちらを向いているのがわかる。

「俺が日本の空を守ってるんだ!」

という気概だったと半ば自嘲気味にパイロットは言った。

彼も航空自衛隊を退職し、三菱重工のテストパイロットとなり少し離れたところから自分の行動を思い返せば、日本の空を守っていたのは彼だけではないことに気がついたのだろう。しかし当時はそんなことを思いもしなかったと。こうでなければ日々のつらい仕事を続けられないのかもしれない。

仮にそれが不法行為であったとしても、「上司からの挑戦に見事に答えば自分すごい!」と思えるようでなければサラリーマンを続けていくことはできないのかもしれぬ。私にはこういう愚かさが欠けている。(これは”無い”という意味ではなく”サラリーマンとして無事に生活をおくるには不十分”という意味だよ)