本を書くなら

2017-07-03 07:40

昨日「本を書きたいけど、一人だとなかなか進まない」人が集まりひたすら書く、というイベントに行ってきた。アトラシアンという会社が場所を提供してくれ、参加費は無料である。ああ、なんと懐が広いことであるか。

技術関連の書籍という緩やかな縛りがあるなか、参加者が自己紹介+自分がやりたいことを語る。それを聞いていて

「そうか、技術関係の出版は誰を知っているかが何より重要なのだな」

と思った。ある会社の編集者の人が言っていた。On demandで出版するから、少ない部数でもいい。でも一番期待しているのは「執筆者の影響力」とのこと。ようするに「フォロワー数10万のTwitterアカウント」を持っている人に書いてもらえれば、それで売れるということなのだろう。

実に弁がたつコンサルタントの人の演説を聞き、その人が執筆した本を読み。なるほど、こういうビジネス書はこういう人が書いているのか。

私が書いている本には

「技術系イベントでお約束のように行われる自己紹介はクソだ」

という主張があり、それを話そうかと思ったのだが「こういう場所では必ず自己紹介をしていますので」といって自己紹介を一生懸命やっている人が二人いた。安易に人がやることにケチをつけるべきではない、と改めて思い直した。別のことを話してよかった。

というわけで、このブログの推定読者数が10万人くらいになったら今書いている本を出版社に持ち込むことにするか。アトラシアン社のオフィスは、座っている場所からポケストップにアクセスできるため、どんどんアイテムを貯めることができる。それがなくてもいろいろな勉強になったイベントであった。

帰り道にぼんやり思う。「をを、こんな視点があったか」という驚きには出会えなかったな、と。しかし次の瞬間その感想自体的外れだと気がつく。技術系の本だと「このツールをこうやって使います」で本になるし、世の中のためになる。出版社の人が、最近はやった言葉「マストドン」に関する本を一週間で書き、10日で出版したと言っていた。商売の上からそれは正しい。瞬間風速にのって売り上げを上げることができる。そういう世界に何を望むのかと言われれば、答えに詰まる。

とするとそもそも私は何をやろうとしているのだろうか。