愚かな人間が組織でできること

2017-08-30 07:10

最近は世の中が落ち着いてきたから、聞かないが昔はよくこういう話を聞いた。

The NYPD has to scrap the 36,000 smartphones it gave cops over the past two years because they’re already obsolete and can’t be upgraded,

引用元:NYPD needs to replace 36K useless smartphones | New York Post

ニューヨーク警察が、愚かにも2年前に「全警官にWindows Phoneを配布する」ことを決定したのだそうな。でもってMicrosoftが先日アナウンスした「Windows Phoneサポート中止の決定」に伴い全部ゴミ箱行きになった、と。

こういう狂った決断をしたのがこの人

Law enforcement sources blamed the boondoggle on NYPD Deputy Commissioner for Information Technology Jessica Tisch, with one saying, “She drove the whole process.”

引用元:NYPD needs to replace 36K useless smartphones | New York Post

リンク先の写真を見てもらえばわかるが、確かに「あまりこの人とは関わりたくない」といった顔をしている。

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私が三菱重工に勤めていた頃、同じくらいバカなひとがいてNECが「これはEngineering Work Stationです!」といって売れ残りのACOSというゴミのような巨大パーソナルコンピュータを大量に売りつけた。これはWindowsですらなかった(フェアに書けば、当時Windowsは1.0とかのひどい状態だったのだが)そして大きな組織は、絶対に自分の過ちを認めることはしない。それが役にたたなければ

「現場の努力が足りない」

ということにされる。NYPDと違うのは、そうしたプロセスは全て会社の中に秘匿され、世間の笑い者になることがなかった点か。このお姉さんも三菱重工の中でこういうことやれば、誰にもバカにされなかったのにね。NECはMicrosoftとはちがい日本企業だから「先進IDEAシステム」まで三菱重工に売り込んだ。それは速やかにゴミになったが現場の苦闘は何年にも渡って続いた。

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とはいえこういう決定がされる背景もなんとなく想像できる。NYPDはMicrosoft製のビデオ監視システムを導入していた。だから「親和性がよい」(これが曲者なのだが)とかあるいは間違いなくMicrosoftはとんでもない値引きを提案したのだろう。頭の悪い人がそういう餌に騙されるのは理解できる。

表にでないだけで、こういう「頭の悪い狂った決断」は世の中のいたるところに存在するんだろうな、とぼんやり想像する。人ごとのように。