Apple Special Event

2017-09-15 07:22

先日AppleのSpecial Eventがあった。いろいろな製品が発表され、それについてはあれこれ考えることもあるのだが最も重要なのはそこではない。

“There’s lots of ways to be as a person, and some people express their deep appreciation in different ways,” Jobs said in voiceover in the opening video. “But one of the ways that I believe people express their appreciation to the rest of humanity is to make something wonderful and put it out there.

“But somehow, in the act of making something with a great deal of care and love, something is transmitted there. And it’s a way of expressing to the rest of our species our deep appreciation. So, we need to be true to who we are and remember what’s really important to us. That’s what’s going to keep Apple, Apple, is if we keep us, us.”

引用元:Watch Apple’s moving tribune to Steve Jobs at the iPhone X event - Recode

Eventの冒頭にながされたSteve Jobsの言葉と、それを受けてのTim Cookの言葉。


人しての行き方は様々。そして人間であることに対する感謝の気持ちを表す方法も様々だ。

人類全てに向かって感謝の気持ちを表す一つの方法が、素晴らしいものを作り世の中に届けること。

それを受け取る人は作った人と顔をあわせることはないし、握手することもない。しかしもし作り手が思いやりと愛を持って創造したのなら、その気持ちは受取手に伝わる。そのようにして人類全体に対する愛、感謝の気持ちを表現する。

だから我々は、我々が何者であるのか。何が重要かを常に心に刻まなくてはならない。それがAppleをAppleたらしめ、我々を我々たらしめているものなのだ。

適当な訳


この後のCookの言葉も素晴らしいが、書き起こしがないので省略する。

日本で大きく取り上げられるベンチャーには「金儲け」しか頭にない企業が多い。そうした企業はなんとか既存の法律の網をかいくぐり、小銭を巻き上げることに全精力を費やす。彼らにとってはそれが正しいことであり、やりたいことなのだろう。
Appleは結果的に時価総額が世界最大の企業になっている。しかし彼らがやりたいのはそこではない。愛と使い手への思いやりをこめた、素晴らしい製品を世の中に送り出すこと。それこそが彼らが目指すことなのだ。

何を綺麗事を、というのは簡単でありネットで見かける意見の90%以上は間違いなくそうしたものになるだろう。しかし今回のSteveとTimのスピーチは私にとって長く記憶に残るものとなる。そこに込められた力と誠実さは疑いようがない。何かをする、ということは必ず批判を浴びる。Appleのような巨大企業であればなおさら。

彼らはそれを承知の上で自分たちが最高と信じられる製品を世に送り出し続けている。それが当たり前と思えるのなら、それを公言し、実際にその言葉にふさわしい製品を作り続けている企業が世の中にどれだけあるか考えてみるべき。