iPhone製造の現場を思う

2017-10-24 07:27

長年サラリーマンをやっていると「ああ、これはまずいパターンだ」というのがわかるようになる。

Economic Daily News today reports that Apple chief operating officer Jeff Williams had a meeting with Foxconn CEO and chairman Terry Gou in Taipei.

引用元:Apple COO Jeff Williams met with Foxconn CEO today ahead of iPhone X launch | 9to5Mac

AppleのCOOが台湾にFoxconnのテリー・ゴウを訪問したのだそうな。
もちろんどっかの元首相のように「単におしゃべりをしにいった」のではない。(鳩山くんは世界中でそういうことをやっているようだが)
サラリーマンなら最大の顧客企業のNo2が乗り込んでくる、というのがどういうことか想像がつくと思う。今週末からiPhone Xの予約が始まり、来週には発売しなければならない。誰もが予想した通りiPhone6sssの売れ行きは低調なようだ。皆iPhone Xをまっている。最初のバージョンがトラブルまみれ、というのはなんとなく予想しながらも待っている。
訪問までにどれだけの「宿題」がFoxconnに投げられたのだろう。ジェフ・ウィリアムスはプレゼンでは落ち着いた口調で喋る紳士だが、それだけでAppleのCOOが務まるわけもない。そして彼が帰った後にどれだけの宿題が投げつけられるのだろう。
サプライチェーンに責任を持っているのがどちらかよくわからない。部品がはいってこないことには生産もできないわけだが、おそらく問題はそれだけではないだろう。というか問題があらゆるところに山積みになっているに違いない。不変の法則というものは世の中にいくつかある。
「新しいものは決してうまく動かない」
というのはその一つだ。そしてiPhone Xは新しいものに満ちている。

So it was a gamble, and it may well cause Apple to miss out on holiday sales, but it was a gamble that had to be taken.

引用元:Bloomberg suggests Apple has lost its supply-chain mojo over iPhone X | 9to5Mac

おそらくこれで、今年のホリデーシーズンの売り上げは不振に終わる。しかしそれはいたしがたないことだ。Appleが「次善の策で2017は乗り切ろう!」などという態度を取れるはずがない。

というわけで、私はここからぼんやりと、iPhoneXのサプライチェーンの中で何が起こっているかを想像している。それはあらゆるサラリーマンの悪夢のようなものではないか。

しかし

部外者だから思うのだ。その結果あの美しい製品を世の中に届けることができる。これは少しの慰めにならないだろうか。ゴミのような製品・サービスのために地獄のような目にあう人間がほとんどだと思うのだ。

そんなことをぼんやり考える。ぼんやりした不安を感じることはいいことではない。