題名:Java Diary-93章

五 郎の 入り口に戻る
日付:2006/3/31
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Goromi-Music Part4-WISS2007

今回のWISSはハウステンボスであ る。名前は何度も聞いたことがあるが、まさか自分が行く事になるとは思わなかった。とはいっても遠くまでいく数少ないチャンスであるから、珍スポットを巡 らなくてはならない。飛行機ではなく夜行でいく。その結果得られる1時間少しの時間でどこかをみなくてはならない。えーっとえーっとと探す事しばらく。途 中の佐賀駅でおりて自転車で、、と計画をたて実行に移す。

駅を降りると貸し自転車をやっている自転車屋にたどり着く。500円払いかりると快調に スタート。自転車乗るのって何年ぶりだろう。きーこきーことこいでいく。時計をみながらギリギリ進む。今考えれば目的地までの距離をちゃんと計算してい なかったのが間違いだった。いや、距離はわかるのだが、自転車が時速何kmかわからないので計算のしようがなかった、とはいい訳だな。

とにかく余 裕時間の半分近くなっても目的まではまだ距離がある。せめてその姿が見えぬ物かと思ったが、それもかなわぬ夢のようだ。いや、ここまで来たのだから最初の セッションをさぼっても、と思うが幸か不幸か今回一番面白そうな発表が最初のセッションにならんでいる。となると涙をのんで引き返すしかないようだ。

佐 賀駅に戻り電車にのる。電車を乗り換えごとごとゆられるとハウステンボスにつく。駅におりたったときからその異様さに気がつく。まず正面には巨大なヨー ロッパ風とおぼしきホテルが見える。しかしその手前、川を挟んだこちら側はまごうかたない日本の風景だ。この差は一体なんな のだ。

し ばし驚愕していたが、立ち止まっていてもしょうがない。とにかく歩き出す。宿泊客はこちら、と書かれたほうに向かって歩いて行く。すると待合室のような場 所があり、バスを待てと言われる。ぼんやりしているとバスがきた。荷物を抱えて乗り込む。そのうち寒々とした景色の中を車が動きだす。人がほとんどいな い。しかし景色は確かにオランダの町並みのそれである。実物を5月に観た身としては、そのできの良さ、そしてアンマッチさに異様な恐怖を覚える。町はその まま。人間だけがい ない。仮にオランダを舞台とした

「伝染病により人類が死滅した」

という設定の映画を撮ろうとすれば、間違いなくこの場所が使われることだろう。

と かなんとか考えているうちに開場となるホテルに到着する。例によって受付だが、すんなり終わる。また例によってあれこれの設定が済むとWISSが始まる。 しかし私は上の空である。自分の発表は最終日の最終セッションなのだ。ああ、それまでこの不安な気持ちと折り合いをつけて暮らさねばならぬのか。

などと天を仰いでいる場合ではない。そのうち正面のプロジェクターがとても暗い事に気がつく。スライドの文字がほとんど読めない。 よくみると特に黄色がで ていないように思う。黒背景に黄色い文字だとほとんど読めない。

こ れはまずい。私は黒背景のプレゼンを準備してきたし、見やすいように、と文字を黄色にしている。これでは全然見えないではないか。泡食ってまず文字の黄色 を白に変更する。次に出来る限り文字を大きくする。これで果たして見えるだろうか?別の人が黒背景、白文字のプレゼン資料を使う。一生懸命みれば読める が、少し気を抜くと全然読めない。しばし迷った末、プレゼン資料の色合いをすべて逆転させる。黒背景に白文字にしていたのを白背景に黒文字とする。この際 見栄えがどうのこうのより、とにかく読めなくては。

とかなんとかやっているうちにあっというまに最終日になる。今回のプレゼンは「題名、発表者 名」というスライドを一番最初ではなく、最後においた。最初はブランクのスライドから始まる。しかしただのブラン クだとちゃんと映っているのか接続がうまくいっていないのかわからない。というわけで薄い画像を張っておいた。張り込んであることを知っている人間にはあ ることがわかるが、そうでない人間は気がつかない程度の薄さだ。

今回同じ職場からデモ発表をしている人間が来ていた。去年まで私のグループにいた 男なのだが、今年から私は彼の出張届けに判子を押す立場ではなくなっている。そして彼の発表は会社から業務の範疇であると認めてもらえなかった。彼は休暇 を取り自費でこの場所に来ている。そして今年初めて知ったのだが、企業からの参加者にはそうした自費参加者が結構いるとのことだった。

最終日最終セッションが始まる。私が最初に出したのは-前述したように私以外の人間には何か画像があったことも気がつかなかったと 思うが-白鳥の絵だっ た。

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注釈