私のMacintosh

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日付:2011/2/5


44 章:Parallels

前の章を書いてから、私のMacintosh環境には様々な変化があった。まずメインマシンがCore2Duo搭載機になった。黒いスペシャルな Mac Bookである。それとともに会社の仕事もそのマシンでこなすこととなった。

さて、問題です。会社の仕事をすべてMacintoshでまかなうことができるでしょうか?一日あれこれやってそれは無理であるという結論に達し た。どうがんばったところで、会社はWindowsの世界なのだ。Mac版Officeをつっこんでも、なんやかやと問題が生じる。誰かに聞く事もできな い。となれば選択肢は一つしかない。Boot Campなるものを使ってWindowsを立ち上げるのだ。

例によってインターネットであれこれ調べ設定を行う。すると見事に立ち上がる。最初は何かとつまづくし、そもそもWindowsキーは何 に対応しているのだ、とか悩む事も多いがそのうちそんなことはどうでもよくなった。会社につくとWindowsで立ち上げる。家に帰るとMac OSで立ち上げる。家で会社のメールをチェックしていて

”しまった。これは今日中に提出しなければ”

という書類があると、仕方がないからWindowsで立ち上げ直す。面倒である。

そうした生活を一年ほど続けた後、ある結論に達した。この面倒さは許容しがたい。ParallelsだからVMWareだかとにかくMacOS上で Windowsを立ち上げるアプリを導入するのだ。

というわけでさっそくとぼしいお財布からお金を出して(実際にはAmazonでカード決済だが)Parallelsを購入する。あれこれ読むと Bootcampのパーティションはそのままで起動できるようだ。これは好都合。というわけで立ち上げる。

画面が変わるのをまつ

画面が変わるのを待っている(これをだいぶ繰り返す)

ものすごい時間の後、ようやくWindowsが立ち上がる。しかしこの遅さはどうしたことか。メニューを開くだけで1分かかるような状態だ。おかし い。ネットで調べたときは

”速度に関しては問題ありません”

ということだったのに。ただ遅いだけではなく、なにか動きもおかしい。製品版を買っているのだからと大いばりでサポートラインに電話をする。これこ れこの操作をやってみてください、と言われる。しかしWindows上ではまたメニュー開くのに一分かかる。相手も”なんだか遅いですねえ”という。

辛抱強いサポートの人のおかげでようやく機能的には普通(とおぼしき状態)になった。しかし遅さは相変わらずである。ちなみにデフォルトでインス トールされたGoogle のOSはスカスカ動く。ということはParallels自体はうまく動いている訳だ。などと少し安心したところで、状況はかわらない。これではとても日常 業務に使えない。がっかりしてまたBootcamp状態に戻る。

しかしいちいち立ち上げ直しの不便さは相変わらずである。そこに致命的な一撃がきた。動画のエンコードをしなくてはならなくなったのだが、その フォーマットはQuicktimeなのである。もちろん理論的にはWindows上のQuicktimeでもいいはずなのだが、やはりここはMacでしょ う。つまり会社でもMac OSを立ち上げっぱなしにしなければならなくなったのだ。

となるとなんとかあの遅さを解消する必要がある。あれこれ調べてどうもメモリが足りないのではないか、という結論に落ち着く。搭載しているのは 2GBだが(予算がなかったのだが)両方のOSを快適に動かすためには4GByte必要ということらしい。しかしここでまたメモリに投資をしてそれが動か なかったらどうなる。などと迷っている暇はない。とにかく進むのだ、とAmazonのボタンをぐいっと押す。

数日後メモリが届く。幸いなことにMac Bookはメモリの増設がとても楽である。ねじを数本はずしぐいっと押し込めば完了だ。どきどきしながら電源をいれるのもいつものこと。無事に立ち上がる とさっそくParallelsを立ち上げる。Bootcampで立ち上げたときより若干遅い気もするが確かにこれなら教養範囲内だ。だめなら Bootcampに戻ればいいんだし。

と思っていたのだが、結局その後Bootcampは一回しか使っていないと思う。いまとなってはその”一回”の理由すら覚えていない。とにかく根は Mac OSで、仕事のアプリだけWindowsで立ち上げる状況が始まる。

慣れてしまうと

”なぜこんな便利な物をもっと早く使わなかったのか”

と思う。Windows-Mac OS間でコピーペーストもできれば、ファイルのやり取りも全く問題ない。WindowsのWindowから(ああ、ややこしい)Macのウィンドウにド ラッグすればそれだけだ。Mac OS上のQuicktimeを使いバッチ処理で動画をエンコードしている間、 WindowsのOutlookで気がめいるようなメール処理をする。こう書くとあまり幸せではなさそうだし、実際そうなのだが、とにかく便利になったこ とだけは間違いない。

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注釈