映画評

五郎の 入り口に戻る
日付:2008/4/1
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950 円-Part10(Part9へ | 560円へ)

ワールド・オブ・ライズ -Body of Lies(2008/12/27)

中東で暗躍するCIAのエージェントがディカプリオ。後方から指示をだしている良きパパ兼上役がラッセル・クロウである。でもってテロリストの親分を捕まえるべくあれこれする訳だ。

脚 本が悪いのか、演技が悪いのかわからないが、ディカプリオ役が話の要でありながらなんともならないキャラクターに見える。自分で仕掛けた”わな”を、意味 もなく途中で放り出そうとする。(結局この”わな”はなんだったのだろう)現地で会った女の子に突然入れ込み、敵に格好の弱点を作り出す。もし彼の行動に 何か深い考えがあるとしても、それはディカプリオの演技からは伝わってこない。いいかげんこの男の

”難しい顔をするときには眉間にしわをよせる”

という演技も見飽きた。

対してラッセル・クロウは好演。子供のサッカーにつきあいながら携帯電話で血なまぐさい指示を出す男を見事に演じている。しかしこの上役も口が偉そうな割には、行動が間抜けである。

でもって結局場をさらったのは、ヨルダンの秘密なんちゃらの親玉なのだが、彼がもっと存在感を持っていたらなあ。渋い二枚目なのだが、この映画を救ってくれ、というのは望み過ぎか。

と、ストーリーは今ひとつなのだがダレル場面もないし最後まで飽きずに観る事ができたのも確か。リドリースコットの腕によるものだろうか。というわけでこの値段にするわけだ。

デスレース -Death Race(2008/11/30)(1000円)

B級映画だろうと思って見に行った。そしてそのすがすがしいまでのB級っぷりにご機嫌になって映画館を後にした。

この映画の設定では米国の経済が崩壊するのは2012年なのだそうな。現実はもっと厳しいかもしれないが、それは問題ではない。いずれ にせよ刑務所は民間企業の経営となり、受刑者が競う「デスレース」のペイ・パー・ビューを売る事で収益を上げるわけだ。

た くさんの人に買ってもらうためにはスターが必要。というわけで元優れたドライバーである主人公は、死んだスターになりすましレースに出場させられる。い や、ちょっとまて。誰が主人公に殺人の濡れ衣をかぶせたのだ、、といった事情が判明しようと主人公は走るしかない。建前としては「5回優勝すれば晴れて出 所」なのだが、視聴率のためにスターを必要としている刑務所側がそう簡単に釈放してくれるわけもない。さてどうしましょう。

Yahoo映画 でこの映画のキャストを観ると、写真が載っていない人ばかり。私が唯一認識できたのは、ジェイソン・ボーンシリーズで切れる女の人をやっていたジョーン・ アレンだけ。(この映画ではとーっても悪い所長を好演している)しかし別に有名スターを出演させる必要もなかろう。ドライバーの隣に座るナビゲーターは (視聴者へアピールする都合上)みんな長い髪の毛を振り回す-そしてさして特徴のない-美人ばかり。銃弾が景気よく飛び交い、どっかんどっかん爆発がおこ り車がひっくり返る。

もちろんお話にちょっと無理はあるのだが、B級と覚悟していけば許せる範囲でもある。登場人物達にそれなりの筋が通っ ているのが良い。誰も地球を救おうとか、米国をもとの輝かしい姿に、とかそんな身の丈に合わないことは言い出さない。一番印象に残ったのは、主人公が娘の 写真を見ながら「母親似だ」というシーンか。確かにあの表情を観れば、この男が妻殺しだとは(観客の)誰も思うまい。

かくして映画は1時間45分でテンポよくフィナーレを迎える。陳腐なハッピーエンドと言えば言えるのだが、今の私にとって少し元気づけ られるエンディングであった事も確かだ。

トロピック・サンダー/史上最低の作戦 - Tropic Thunder(2008/11/23)

豪華(?)な出演者を集め、ベトナム戦争ものの映画を作る事になった。しかし役者の我が侭に振り回され撮影はさっぱり進まない。こ れは、もう「ブレアウチッチ」方式しかない(映画の中でそういう表現は使われていないが)というわけで役者は東南アジアのジャングルに放り出される。そこ に麻薬組織が迫る。

ベン・スティーラー、ジャック・ブラックはコメディ映画の人たちだが、ロバートダウニーJRだけは普通の映画に出る人でもある。主役は 一応ベン・スティーラーなのだろうが、演技力に応じて出番の多さが決まっているような気がする。ジャック・ブラックは麻薬中毒できーきーわめいているだ け。それが正解だろう。いきなり朗々と歌い始めるなんてこともない。

ロバートダウニーJRは「黒人のふりをした白人役者」という役柄。自分がNativeではなせる方言を誰かが真似していると異常にイラ イラするが、一行の中にいる本物の黒人にとっては、この「偽黒人」は気に障る存在だろう。そのイライラさは十分に画面から伝わってくるがそれ以上どうとい うこともない。

いかにもアメリカ的なおばか映画なのだろうが、そののりに今ひとつついていけないのも確かではある。トムクルーズに変な踊りをさせてみ たり、ハリウッド内輪受けの要素も沢山あるのだろうが(考えてみれば、ダウニーJRではなく、ジャック・ブラックが中毒患者なのもその一つか)私にはよく わからない。とはいえ退屈はしなかったのでこの値段になるわけだ。

あとアメリカのお下品映画特有の「グロ」い要素もてんこもりであるから、そういうのが苦手な人にはお進めしない。何度か米国映画で目 にするが、普段のお上品さと、こうした下品さが一つの国の中で両立するってのは、、まあ人間はそうしたものか。

アイアンマン - Iron Man(2008/9/27)(1000円)

基本的に米国映画によくある「ヒーロー物」であり「どっかん一発ハッピーエンド」ではある。とはいえ2008年夏に「スピードレーサー」を軽く吹き飛ばしたの だから、ただそれだけの映画でもない。

軍需企業の総帥、ロバートダウニーJr.がアフガンの「無国籍ゲリラ」に捕らえられる。お前の会社の兵器を作れと言われるが、作り上げ たのはパワードスーツだった。なんとか帰国した彼を待っていたのは、、、、

最初設定を聞き「軍需企業の総帥がスーパーヒーローになる?そんんなんで映画になるのか」と思った。しかし例えばゲリラを「イスラム原 理主義者」ではなく、無国籍にするとかそこらへんをうまくかわしている。

ま たロバートダウニーJr.がなかなか興味深い演技を見せる。最初は「しわの多い顔だなあ」と思ったが、そのうちなかなかハンサムで奥深い顔と思え てくる。時々「はっ」とさせられる子供のような表情をする。観ていて飽きる事がない。

彼を支える「地味な秘書」は結構いいなあ、誰だろうと思っていたらグウィネス・パルトロウだった。地味に徹した服装が妙にマッチしてい る。結局ダウニーとはキスすらし ないところもなかなかよろしい。

などと良い点を挙げていくと、やはり筋の薄さが残念になってくる。元がヒーロー物だからあまり期待していないとはいえ。特に後半。決着 のつきかたも「どっかん」でおしまいか、と少し残念になる。それだけ登場人物の演技が面白かったということなのだが。

エンドロールが始まるところで「エンドク レジットの後にもシーンがあります」と字幕がでる。確かにエンドロール観ながら余韻に浸るような映画でもない。さて何がでてくるかと思えば堂々た る「続編の宣言」だった。よくある「ちょっとだけ続編に未練を見せてみました」どころの話ではない。これで続編作らなければ詐欺だが、さて自作はMore Better になるだろうか。出演者の演技力に見合った脚本にしてほしいものだが。

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注釈