題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2005/1/20


怪しい少年少女博物館:静岡県(2005/1/10)

2001年、熱海に行った私は熱海秘宝館に飽きたらず「ふしぎな町一丁目」という所に行った。意識して珍スポット巡りを始めたのはその1年後であり、当時は「なんだか変わった場所だなあ」と思ったくらいで写真もろくに撮らずにいた。今手元に残っているのはこれだけである。

不思議な町一丁目

しかし今から思い返せばあそこは結構とんでもない場所だったのだ。この一枚だけからもその雰囲気が伝わってくる。ええい、写真をもっと取っておくべきだったと悔やんでももう遅い。元々期間限定開設だったらしくいつのまにか消え去ってしまっていたのである。

ええい、どうしてくれようと思っているうち「伊豆に移設された」という情報を目にする。公式サイトにアクセスしてみると名前が変わっているがなかなか期待が持てそうな怪しさ。これは是非いかなくては。

というわけで熱海まで東海道線で行き、そこからさらに電車に揺られる。伊豆半島専門列車ということで座席の半分は海側を向いている。私は半分居眠りしているが乗り越しては大変である。がんばって目を開けようと努力する。そのうち目的の城ヶ崎海岸駅に着いた。

駅舎が妙にしゃれている。さて、目的地はどこだ、と地図をにらむことしばらく、こちら、と思った方に歩き出す。上り坂が厳しい。これでもか、これでもかと登り続けいいかげんいやになったところで広い道路にでた。この通り沿いに有るはずだがと思い歩き続けるとこんな光景が。

巨大かつ怪しいペンギン像が素敵。近くにあったご近所地図にはこの場所が「ペンギン博物館」と記載されており、その頃の物を改修して使っているのかも知れない。しかし入り口からすごいなあ。

入り口からしてこんななのだから中はどんなにすごいのだろう、と期待に胸をふくらませた私はその後に訪れる運命について知るよしも無かった。

と にかく入り口で1000円払って中にはいる。3連休と言うことで伊豆半島に遊びに来たであろう若いカップルが結構いる。ふふふ。ここの怪しい展示物におの のくがよい、と思ってはいっていくとフィギュアというか人形がやたらと展示してある。こんなものはいいのだ。あの奇妙な人形達はどこだ。

そう思いながら広いところにでると一面にあれこれかざってある。LPのジャケットとかは巨大だが、写真を見せるには良い大きさだったのかも知れない。アイドル現役だった頃の松田聖子の写真を見ていると思わず

「せっいっこちゅあーーん」と叫びたくなる。

などと見ていくうちに自分の中でふくらんでいた期待がしぼんでいくのが解る。ここは移転と共にとっても解りやすい場所になってしまったのだ。展示物の80%は人形、LPジャケット、雑誌等であの反応にとまどう物体は目立たぬ隅に追いやられている。

とはいっても私の興味は残り20%の方にあるのだ。というわけでこれからいくつか写真を載せるが、それらを見てこの場所に来、「違うじゃないか」と文句を言われても困る(たぶんこれらの写真を見て行きたいと思うのは私くらいなものだろうけど)

まずは解りやすいほうから。お化けがいくつか展示してあるエリアの端にこんな牛がいる。

ちゃちな牛のお化け(それがどんなものか知らぬけど)ではないところに昔の面影がある。その近くにいるこのお姉さんもなかなかよろしい。

すぐそばには柱があり、のろいのわら人形が打ち付けられている。

のろいの言葉は職場の人間、あるいはストーカーなどいろいろな人に向けられており負の怒りがほとばしっている。視線を少し上にむければ懐かしいこの人がいる。

懐かしいと思うのは昔見たからで、「不思議な街一丁目」にはこういう不思議な気味の悪い人形が目白押しだったのだ。そう思うとひっそりと存在しているこの二人も昔からいたのかもしれない。

これらは二階の一角にある。同じく二階の別のエリアにはこれまたなつかしい恐竜がいる。

ただの恐竜と思ってはいけない。背びれの部分が開閉を繰り返しており、中にはこんなのがいるのだ。

こ れまたなんとも反応に困る姿形である。こうやって隅を丁寧に見ていくことで入場料を取り返そうと努力を続ける。別棟には「怪しい夜の小学校」なる展示があ る。残念ながらお化け屋敷ほどこわくなく、首をひねるような斬新さもない。なんだかヒヒヒという声がして人形が動いていた。唯一記憶に残っているのはこの 人形だが。

私のすぐ後ろにいたカップルの女性のほうは「なんかビミョー」という言葉を繰り返している。

場内はさほど広くなく、もちろん丁寧に見ていけばいくらでも時間がつぶせるのだろうが、私はもうたくさんだ、という気分になる。外に出て改めてそこらへんを見ると結構奇妙なものが存在しているのだった。

外だけこんなに気合いを入れてもなあ。。もっともここは狭いから「ふしぎな町一丁目」を再現するのは無理だったのかも知れないけど。

と ぼとぼと坂を下り、電車に乗りながら考える。最近痛感していることだが珍スポットの寿命は短い。基本的に人が来ないからたちまち消えてしまうのだ。こうし ている間にも「行きたい」と思っていた場所が閉鎖されたという情報がはいってくる。「行きたい時に無理しても行く」を徹底せねばならんなぁ、と新年早々決 意を固める。

-などと考えながら帰ってきたのだが、あちこちのサイトをチェックすると結構「奇妙な物」を見落としていたことに気が つく。2階の通路に下を見下ろしているお兄さん(の人形)がいたのだが、実はゾンビだったらしいし、立ち小便をしている二宮金次郎も外に居たとのこと。や はりネガティブ思考に染まってはいけませんねえ。

昔の姿は「動物園、B級スポット大好き」を参照のこと。

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注釈