題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2006/1/27


能勢の高燈籠-外から見ただけ:大阪府(2005/12/31)

七宝寺を後にした私は今回の最終目的地能勢の高灯籠に向かう。時間はまだ9時過ぎ。ふと

「まだ開いていないのではないか」

という不安が頭をよぎる。しかしなあ、きっと朝早くから巡りたいという信者もいるに違いない。バスの時間は10時18分、11時18分だからできれば10時18分に乗りたい物だ。

などと考えながら目的地にたどり着く。入り口に説明が書いてある。それを読み私はがびーんとなる。開いている時間は午前10時から午後4時となっているではないか。ということは私には二つの選択肢が残されていることになる。

選択肢その1)10時までまち、中をみて11時18分にバスで帰る。

選択肢その2)外だけ見て10時18分のバスで帰る。

冷静に考えればここまで苦労してたどり着いたのだから選択肢その1を選ぶべきであろう。しかしその説明書にあったもう一つの言葉が私の志を萎え させる。すなわち場内禁煙、禁飲食、禁撮影、というやつだ。そのわりにはいろいろなサイトで中の写真を見たことがあるが、あれはなんなのか、、と思ったと ころで小心者の私としては禁撮影のところで写真を撮る気は起こらぬ。

となれば、ここは選択肢2で行こうではないか。(中の様子を知りたい方はこちらこちらこちらを参照の事)正直言えばこの3日間でへんぴな所ばかり廻って疲れてしまっていたのかもしれぬ。

というわけで心おきなく外から塔をじろじろ見る。

確かに燈籠だ。夜になるとこんな風に綺麗らしい(説明書の写真より)

では中に何があるかと言うと、館内を螺旋状に汽車ポッポが登っていくのだそうな。でもって登っていく間に三十三観音をお参りするとか。まあそれはそれでいいとして、よくわからないのはこの説明だ。

「土(沙)の霊塔「高燈籠」の強大な引力の呼び寄せに応じた

-土(素焼)の「博多人形」-

各種各様の姿、約700身を塔内に飾りました。

-土より出て、土に帰る「人の身」の-

生命、肉体の「延命、長寿」の追加補充をするのが、「仏に言い付けられている我々土人形(土)の役目」じゃ、引き受けたり。と、只今、塔内にあって、勇気凛々、手ぐすね引かんばかりです。」

とにかく博多人形が700体あるらしい。勇気凛々はいいのだが、いきなり手ぐすね引かれてもなんのことやらわからん。というかこの説明なら土で できた人形ならなんでも良いはず。何故博多人形なのだ。。もちろん説明はあるのだろうが、私がこの場所を作った人間ならただ「博多人形趣味だから」と答え るやも知れぬ。とにかく中はこんな様子とのこと。

感心していてもしょうがないので入り口近くに行ってみる。扉を押してみるがやはり閉まっている。入り口からじぐざぐに下る道があるのだが、そこから撮ったのがこの写真。

「正浄遺伝子組替祈願霊場」と読める。遺伝子組み換えでございますか。これが何を意味するかは前掲の参考サイトを見て頂くとして、私はただその文字が持つ重みに圧倒される。

その道を下りきったところには「鹿」という大きな文字がある。さっきからなんだか白い四つ足の動物が歩いて居るなあと思っていたが、山羊にしか 見えぬ。「鹿」と「山羊」の区別が付かぬ物はなんと呼ぶのだろう、と思っていたがこれは私の誤りだった。よく見れば立派な角の生えた鹿がいるではないか。 色が白いというだけで。

近くによってみれば一頭の鹿がこちらをじっと見つめている。ガンをつけるとも言うだろうか。

鹿の視線を無視して私は階段を降りる。道路にあるところにこの場所の名称が書かれており、そこには「第二法塔」と書いてある。ということはこの教団は別の塔も持っているということなのか。

ということで心はれやかにバス停に着く。バスが車では30分ほど。辺りには何もない。屋外で腰を下ろして本を読む。またたく間に30分がたってしまった。この旅行で時間をつぶすことだけは上手になったのかもしれん。

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注釈