題 名:巡り巡って

五 郎の 入り口に戻る

日付:2008/1/10


強巴 林: 愛知県(2008/1/2)

11時頃家を出ると地下鉄に乗る。最近名古屋でちょくちょく車を運転する。その時観たのだ。道の傍らに存在する異様な寺院を。その姿、看板の文字一つ一つ が私への挑戦状とし かとれない寺だ。
不幸にしてなかなかでそこを訪れる機会に恵まれない。しかし今日こそは行くのだ。というわけで地下鉄大曽根駅を降り高架上の専用道路を通るバスに乗る。最 初乗ったときはとても変な気がした物だが、2度目ともなると
「これは信号もないし、追い越しも無く快適であることだなあ」
とご機嫌に乗る事が出来る。その 高架も終わるところが近づいてきた。さて、ここで問題です。どこでおりればよいでしょう。この近くには竜泉寺というお寺があり、かつてはプールを持ってい た。最近プールを廃業してスーパー銭湯にしたようだが、駐車場は満車である。商売替え大成功だ。さて、その先なのだがどこでおりればよいか。右側を見てい るとそのうち目的地が見えてきた。やれうれしや。この先のバス停で降りればよかろう、と身構える。
しかし今度はなかなかバスが止まらない。坂を快調に下って行く。ううむ。これでは坂をだいぶ上らねばならぬではないか。はやくバス停につかぬかと気が焦っ たところでバスの人には関係がない。そのうちとまるべき場所でバスは停車した。
さてここから坂を上らねばならぬ。その左手にはどうみても普通のマンションのようにしか見えない宿泊施設があったりするのだが、それは問題ではない。ぜい ぜいいいながら坂を上る。後で知ったのだがこの坂は(たまたまだが)地元でチベット坂と呼ばれているのだそうな。などということはそのときは知る由もな い。とにかく歩く事しばらく、ようやく見えてきた。
1stContact
この文字の多さ、その内容に一抹の不安を感じる。私くらい人間がひねくれてくると「日本唯一!」という文字を額面通り受け 取ったりはしないのだ。いや、もちろん疑う理由はないし、このお寺からすればそう主張する最もな理由があるのだろうけど。(ちなみに後で知ったのだが、こ こが作られた当初この文字はなかったよう だ)とにかく目的地についた。やれうれしや、というわけではいっていくとこのような看板とご対面である。
welcome
はい。ではゆっくりみさせてもらいます。後ろにはこのような建物が見えている。期待が高まるというものではないか。
全体像
ちなみにこの建物を正面(写真にとろうと思えば空中に浮かぶ必要がある)からみればこのようにみえるらしい。
正面
手前になにやらテントのようなものがある。中には何があるのかと思えば、机やらそうしたものが山積みになっているだけのようだ。
テント
いや、まあこれは期待する 方が間違いというものであろう。というわけで長い石段をてくてく上る。すると上りきったところにこんな看板がある。
NoPhoto
この先は撮影禁止なのか。そこから見える範囲はこのような光景なのだが。
内側

カメラを鞄におさめ入って行く。すると巨大なマニ車がある。これをまわすとなにやら徳がつめるそうなのだが、そんなのでいいのか、 という気もする。さらに 進むと建物にはいる。こういってはなんだが、私のような珍スポットに取り付かれた男にとっては期待はずれ、普通に考えれば全うな室内である。チベットで作 成されたという仏像が飾ってあり、その他にもチベット由来のものがたくさんあるのだと思う。これまた後で知った事なのだが、おの建物はチベットの大昭寺を 寸 法までちゃんとはかった上で再現したものなのだそうな。

という努力は尊いことだと思うが全く明後日の方向に興味が向いている私は足早に2階に上る。開いている窓からは下界の景色が見える が、それ自体は濃尾平野の光景であり、あまり感動するという ことはない。何か変わった物はなかろうか、と探しているとそれは脇にある小さな空間に存在していた。

そこには、ここを建立した森下住職が各界の有名人と映っている写真が何枚か飾ってある。名古屋のローカルヒーロー星野仙一よりブッ シュ元大統領夫妻の写真 が大きいのは理解できる。その大統領夫妻よりも一回り大きいのが

「レインボーホルにて。スティービーワンダーと」

と書いてある写真だ。いや、それはわからないでもないけど、元大統領夫妻より大きいってどういうこと。スティービーワンダー の写真にはサインが入っているからそのせいであるか。

というわけで2階にはほかにみるべきものもないようだ。いや、あるのかもしれないが、私の目にはなにもはいっ てこない。というわけで 一階におり、外にでる。すると建物の脇に通路があり、坂を上れることがわかる。たらたらと上って行くと、途中空にはためいていた色とりどりの布になにやら 書いてあることに気がつく。そうか。これはただの布ではなかったのか、といまさらのように気がつく。

はためく布

さて、階段をのぼっていく先になにやら塔がある。ぐるりとみまわす。その先に「奥の院」とかかれた矢印がある。奥に道がつながっているがそちらに 進む気にもならない。
というわけで階段を下り、一番下まで戻る。先ほどから見えていた文字が書かれた建物だが、どうやら土産物屋のようだ。
土産や
中でものぞくか、と扉を開けようと するが鍵がしまっている。うーむ。神社仏閣にとって正月というのは稼ぎ時のようにも思うのだが、いろいろ事情があるのだろうか。
といったところであまりよくわからない感想をいだいたまま強巴林を後にする。隣には立派なお寺である「財運と人脈の」倶利加羅不動寺が存在している。こ の両者の関係は、と調べればどうやらこの場所は倶利加羅不動寺の敷地内らしい。というわけで、本家が正月に開業していれば、分家の方はまあよろし い、ということなのだろうか。
ちなみにこの寺のサイト[http://www.kurikara.com/kami_kurikara.html]も存在しており、そこには「ありがた い有料会員募集」のお知らせが載せられている。有料会員になるとご本尊をWEB参拝できたり、メールマガジンをもらえたり、、だそうです。こういう有料会 員ってWeb黎明期のころにはよく見た気もするが、最近とんとみない。はたして会員何人いるのであろうか。

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注釈