タブレット端末は、ただのハードメーカーには作れないのがはっきりした

2011-09-30 06:58

KindleFireが発表された。なにより驚いたのはその価格である。なんと$199である。
指摘された記事によると、Kindle FireのH/W自体は、Blackberryが既に発表しているPlayBookと非常に似通っているらしい。

右が発表されたばかりの7型タブレットAmazon Kindle Fire。左はRIMがちょうど一年前に発表した7型タブレット BlackBerry PlayBook。わざわざ持ち込んで並べている理由はこちらの記事を参照。どちらも7インチのシンプルなデザインだけあって、また外装や厚みも兄弟のようによく似ています。

via: アマゾン Kindle Fire vs. BlackBerry PlayBook 比較ギャラリー

つまりH/W的に画期的な点はないわけだ。ではなぜこんな価格を実現できるのか?それはこれがHTCから発売されたのではなく、Amazonから発売されたからだ。

Apple is also monetizing the hardware upfront with a 30%+ gross margin on the iPad, whereas Amazon is likely losing about $50 per Kindle Fire.

via: Analyst: Amazon is likely losing $50 per Kindle Fire - Apple 2.0 - Fortune Tech

一つの推定によると、iPadは30%もの利益率をもっている。逆にKindle Fireは一台売るごとに$50の損失になるのだそうな。

H/Wを損失覚悟でうるのは、ゲーム機では当たり前らしい。なぜならその上で動かすアプリを普及させることが目的だからだ。Amazonも同じである。H/Wで儲ける必要はない。その上で書籍を売りまくればいいのだ。

もしこれが電子書籍閲覧専用端末なら、他のPadメーカーは「そうだねえ」とのんびりしていられるだろう。しかしそうではない。メールの閲覧、Browserもちゃんと備わっているのだ。(このブラウザの仕組み自体大変興味深い点があるのだが、それについては今日は書かない)つまり常日頃

「iPadがもう少し軽くなればねえ」

といっている奥様なら、これで十分ということになる(Kindle Fire 413g v.s. iPad2 601g)
アプリケーション?そもそも奥様はアプリなんかインストールしない。

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之に対して先日終了が宣言された日本が誇る家電メーカー、シャープが発表したガラパゴスの5.5inchモデルはなんと39,800円。円高を考慮すれば16,000円のKindle Fireとは比べ物にならない。

これではっきりした。タブレット端末は、むしろゲーム機のハードに近い性質を持っている。自分で良質のコンテンツを確保し、それで収益をあげられないハードメーカーは、表舞台から退場するしかない。(製造請負はできるけどね)


いや、日本にもハードウェアとコンテンツ両方をもっている企業は存在する!親愛なるソニーだ。CEOもこう強調しているぞ!

 ストリンガー氏によると、ソニーのタブレット端末は同社の音楽や映画サービスとの連携により、エンターテインメントライブラリとして活用できるため、その点で競合各社との差別化を図れるはずという。

via: 価格もハードウェアも凡庸──「Sony Tablet」に海外で厳しい評価 (2/2) - ITmedia ニュース

でもね、価格はiPad2と同じ。質感は

ガジェットサイトEngadgetの編集長、ティム・スティーブンス氏によれば、この端末のハードウェアはがっかりなレベルであり、質感やデザインはiPad 2やGalaxy Tabには到底及ばないという。

via: 価格もハードウェアも凡庸──「Sony Tablet」に海外で厳しい評価 (1/2) - ITmedia ニュース