パナソニックの憂鬱

2013-06-20 06:54

民放のTVをほとんど見ないので、私が見るほとんど唯一のCMは、電車の中の広告である。暇だしね。

でもってPanasonicのTV,ビエラの宣伝をやっている。お父さんが座ってリモコンを操作すると、天井から巨大な手がでてきて、画面をスワイプしてくれる。ご丁寧に「タッチパネルではありません」とテロップが小さく出る。

というか、「タッチパネルではない」と注釈つけるくらいだったら、画面は大きな動画だけにして、全部タブレットにすればいいではないか、と思い日本のビエラサイトを見に行く。そして驚愕した。

まずPanasonicに敬意を評して内容から行こう。スマホにはいっている写真をTVに映し出す。それは楽しそうだ。実際Apple TV接続して家でもやってるしね。

問題はこの動画のお父さんだ。わざわざTVの上で検索し、その内容をスマホにいれ、そしてのそのそ台所に向かう。必要な情報があるとわざわざリビングにでてきて、またTVで検索。そして内容をスマホにいれまた台所に戻る。

このシナリオ作った人間は気が狂っているのではないか?TVでしかアクセスできない情報が存在するならともかく、TVで検索しているのはネット上の情報なのだ。だったら最初からスマホかタブレットで検索すれば済む話。わざわざリビングにでてきて使いづらいTVで検索する馬鹿がどこにいる?(まさかスマホやタブレットで音声検索できないとは思ってないよね)

他の動画では「人を識別してその人に最適な画面を提示します」という機能を誇らしげに語っている。あのさあ、そんなことするくらいなら、個人のスマートフォンの上で表示すればいいだけなんだよ。

さらに驚いたのは

この動画がアメリカの仮定を舞台にしていることだ。電車の中では日本の家族が演じていたので、動画がないわけではないらしい。しかし日本のビエラサイトにいっても米国の家族がでてくる。

まさか「日本人には米国ではやっている、といったほうが受けがいい」とかそんな理由じゃないよね。昭和の時代じゃあるまいし。日本版作る予算もなくなった?それとも電車の中の動画をサイトで配信する許可が取れない?

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こういう狂った動画を堂々と公開できる神経は素晴らしいと思う。清く正しいサラリーマンはこうでなくてはいけない。私もこういう会社に勤めていればきっとこういうのを作るだろうな。そして様々な「アンケート」結果から

「今回の広告にはこのような効果があることが確認できました」

と社内で報告するわけだ。

日本の大企業では「現状、会社の肯定」が無言かつ絶対の前提条件にある。TVの宣伝ならばあくまでもシナリオの中心はTVでなくてはいけない。TVを作る、TVを宣伝するという会社の判断は絶対に正しい。その結果作られたCMが狂気に満ちたものであってもそれは些細なこと。

Panasonicは「普通の会社」を目指すのだと言う。その道程は険しく遠いようだ。

追記:以下の画像は「かんたん」というページ

音声操作

電子タッチペン

動画を見る



ビエラなら直感的な操作で様々な機能が使えます。「マイホーム」画面はテレビ番組やインターネット、アプリなどの最新情報をスムーズに表示し、音声操作ですぐに使えます。自分が使いたいもの、調べたいものを選ぶだけの簡単操作です。スマートビエラならではの使いやすい機能を体験してください。


via: SMART VIERA 2013 | プラズマテレビ/液晶テレビ ビエラ | Panasonic

このページをみても、何が「かんたん」なのだかさっぱりわからない。他にもいいたいことはあるが、、まあそれは別の機会にしよう。