長い尻尾の住人

2006-02-07 07:26



昨日初めて「ロングテール」という言葉を知った。


ネット世界で利益を稼ぐ「ロングテール現象」とは何か


というわけで、新しいかなづちを手に入れた子どものように、私もなんだかこの言葉を使ってみたい気分になって、浮かれてかいてみる。


何故私がこの言葉を聴いて浮かれるかといえば、自分自身が長い尻尾の先の方に住んでいる、と思えるからだ。




例えば2002年から私の趣味になった「珍スポット巡り」というものが有る。巡り巡って


いまや本家サイトのメインコンテンツと化しているのだが(少なくともヒット数から見ればそうだ)これはインターネットというものが普及し、興味を同じくする「少数の人」の存在を知ること無しには絶対に始めなかった趣味だと思う。そもそも珍スポットとはあまり人が来ない場所なのだ(中には有名な寺でありながら裏に狂気を隠しているものもあるが石手寺)こういった場所の情報はパレートの法則に従うメジャーな書籍では絶対に手に入らない。


映画だって自分で映画評を書き、他の人の映画評を見ることなしにはここまで「趣味」と呼べるものになったか怪しいものだ。それまで新聞や雑誌に載っている映画評は「嘘のかたまり」であるという認識を持っていたのだが、ネット上には読むに値する映画評がほんの少しだが存在することを知った。そしてそれに触発され自分でも書こうと思ったわけだ。「映画評」というくくりではメジャーな分野かもしれないが、実体としては「メジャーかつ嘘の映画評」と「マイナーかつ本音の聞ける映画評」に分かれているように思える。そして後者にはネットの存在なしにはアクセスし得なかったであろう。


あとちょっとずれた「ネット」でいうと「通信カラオケ」というものの普及は私にとってまさに革命的だった。それまでは「メジャーな曲」しかないカラオケ屋ばかりで欲求不満の塊となっていたのであった。ところが通信カラオケのおかげで70's, 80'sのロックを歌うことが可能になったのである。いまカラオケ屋においてある分厚い曲名リストがどのように使われているか調べてみるときっと長ーい尻尾が登場するのではなかろうか。


というわけでインターネットの普及というのは長い尻尾に住んでいる人間にとっては誠にありがたいものだ、というお話でした。


話は飛ぶが。。


都会になるほどマイナーなユーザを対象とした商売が成り立ちやすい、というのもこの法則に関連しているのであろうか。魔都秋葉原が何故東京にあり、名古屋にないか。長い尻尾も母数を増やせば商売として成り立つ数に達する、、とかそんな理屈かな。