mixiの次の手を勝手に予想する

2008-03-07 00:00



今回のmixiの件について「何も言葉をはさめないほど」のエントリーが存在する。


オイラがこの「はてな」の他にミクシイを使っている理由は、それがクローズドだと信じていたからで、それがミクシイの大きなセールスポイントだったはずだ。だから、ミクシイは「友人のみに公開」にして、「はてな」には書けないプライベートなことや、原稿に書く前のメモ書きなどを書いていた。それが「複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変」されると知ってたら、最初から書かないっての!

「使用」を主張して「格納」を理由とするミクシイ - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記「使用」を主張して「格納」を理由とするミクシイ - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記




この件が表沙汰になって以来



とかいう根拠薄弱な「mixi擁護論」があったが、このエントリーはそれらに対して「ぐうの音もでない」ほどのカウンターを決めている。いつもならいろいろな意見が飛び交うはてなブックマークでも、わけのわからないものを除いてエントリーに対する反論がない。


というわけで今回の件をもう「mixiの暴挙」と言ってもいいだろう。


しかし


私は想像するのだ。今頃mixi内部で何がおこっているかを。


ーーー(以下妄想)


K氏は退会者数、プレミア解除者数の推移をずっと見つめていた。最初の反応は予想以上だった。カーブはほぼ垂直に立ち上がった。


しかしメディアを通じて出した”著作権はユーザが持っている””今後利用規約、Q&Aを検討”というあたりまえかつ空疎な回答が功を奏した。カーブはフラットになりつつある。大丈夫。何が問題になっているか理解できる人間はさほど多くない。内容はどうでもとにかく「修正案」を出せば「これでユーザの声を反映した規約になった」ということになるだろう。できるだろう。あっ、時給700円で募集かけといてね。


そしてなによりもどこかの国が言ったように「日本人はあきっぽい」のだ。あるいは4月にもひと騒動あるかもしれないが、mixiが数ヶ月何もしなければ


「お前ら大騒ぎしたけど何もないじゃない」


ということで収まるはずだ。


やがてカーブは増加から減少に転じた。K氏は「勝った。俺は勝ったのだ!」と一人叫ぶ。うるさいユーザはどうせ今後減少するPCユーザばかり。減少カーブが多少きつくなったところでmixiは痛くも痒くもない。今後増加が見込める携帯から使っているユーザは規約など気にしない。


これで新たな収益モデルを打ち立てることができる。国内外のマーケティング会社にmixiのデータを売るのだ。あるいは「マーケティング会社」と称しているちょっと怪しい会社に、「マイミク限定」のデータを売る。もちろん個人情報はちゃんと保護しているから大丈夫。とはいっても、売った先でその会社が個人をどう特定しようが何に利用しようがmixiの知ったことではない。だって規約にちゃんと書いてあるでしょ。


もちろんユーザに無断で出版なんかしないよ。mixiは約束を守る会社だ。


ーーー


もちろん今回の暴挙がこうした深謀遠慮に基づくものではなく、帝国陸軍的な単なる愚行である可能性も多いに存在する。(というか個人的にはそちらのほうが可能性が高いのではないかと思っているが)


それならそれで私にとっては興味深い。結末を、当時はわからなかった情報を持っている我々がかつての日本の愚かな行動を笑うことはたやすい。しかしそうした「愚かな行動」は今でもそこかしこで行われているのだ。


私はそうした「立派な大人で構成された組織が幼稚かつ愚かな判断」をするのはなぜか、長年の間考え続けている。その一つの貴重なデータになってくれると期待しているのだ。


さて次の一手はどうなるか?私は「むにゃむにゃいいながら2週間後に意味のない規約改定案を提示。そのまま4月突入」に5円賭けるが。