「近未来テレビ会議 sponsored by SONY」で私が提案したもの

2008-05-22 00:00



というわけで「近未来テレビ会議 sponsored by SONY」に出席した



例によって例のごとく、ちゃんとしたレポートは他の方が書くと思うので、私は記述を以下の2点に絞りたい。



これらは私が会議の間中考えていたことではあるが、一項目目については最低限しか発言していない。二項目目は私の心の奥深くしまっておいた。


あの会議において、私が重要だと思うのは、各個人が忌憚のない意見を述べ合い、そして最後にはひとつの意見に集約することだ。私の提案は他のグループメンバーの提案から乖離していたので(これについては後述する)最終的な意見に一部を取り入れることも難しいと思った。そしてああした場で悲観的な意見を述べることについては何のメリットもない。


というわけで会議での発言は控え、こうしてブログに書き出すわけだ。ではまず「私が提案したアイディア」から。


お題は「新しいTVを考えましょう」というものだったと思う(うろ覚え)私の提案は、「TVは鏡であるべきだ」だった。


TVははPCでもなければ携帯でもない。PCや携帯にできることをしても勝ち目はないのだ。


ではTVの特徴は何か?



ここから「TVは鏡である」と考えた。今のTVにカメラを取り付け、ひたすらリビングルームの人の姿を撮影し続ける。それをそのまま画面に映し出せば本物の鏡だが、そこはそれ。こんなシナリオを考えてみよう。


夜遅く親父が帰ってくる。もうみんな寝ており、テーブルの上には晩御飯がおかれている。なんとはなしにTVのスイッチを入れる。


この状況で画面上に表示される細かい文字で「Yahoo News!」なんか読みたいと思うか?十年一日のごとく繰り返される特徴のないTV番組なんか見たいと思うか?


そうではない。親父は昼間、あるいは夕方リビングルームではしゃぎまわる子供の姿を見たいのだ。この「鏡」は時間を越えてその姿を映し出す。子供達、なんとか夕飯の席につかせようとキーキー叫び続ける妻の姿を見ながら親父はご飯を食べる。


そのうち、子供が「鏡」に向かってかけより「これ今日幼稚園で作ったんだよー」と見せてくれる。親父は笑顔になった後頭をたれしばし物思いにふける。


そして「すごいねえ。こんなの作ったんだねえ」と「鏡」に話しかける。


翌朝、子供はTVをつけると、まず親父の姿を鏡の中に見る。そして父親が自分の作品をほめてくれたと知り、わーいわーいと喜ぶ。


時間をずらした「鏡」であることにより、リビングにおかれたTVは失われがちな家族間のコミュニケーションを図る手段となるのだ。


あるいは、人によっては自分の姿を「鏡」の中に見るかもしれない。いつも時間がない、時間がない、と言っていながらTVの前で何時間も過ごしている姿をみて愕然とするかもしれない。


最近多くなった「ツルピカ液晶」を使った人は、PCの電源をオフにした瞬間、そこに自分の顔が写っていることに気がつかないだろうか?そして日ごろあまり見ない「自分の素のまま」の顔をみて愕然としないだろうか?


人間が自分の姿を客観的に見ることはとても難しい。そしてリビングに置かれた「鏡」はその手段となるのだ。


あるいはこの「魔法の鏡」は遠くにいるおじいちゃん、おばあちゃんの姿を映し出してくれるかもしれない。能動的に話をするのではない。ただ映し出すのだ。そして子供は年老いた両親の姿を見て安心し、孫達はおじいちゃん、おばあちゃんの背中から何かを学ぶかもしれない。


この提案に対して、グループのメンバーからこういうコメントをもらった。


たとえば、番組表の脇に、そのときみていた人の画像をサムネイルで出すと面白いんじゃないだろうか。誰が何を見ていたか、一目でわかる。これを聞き、私は「をを」と思う。なるほど。確かにそれができると、自分が、家族が何を見ているか客観的に一目でわかるわけだ。それは自省のネタになったり、コミュニケーションの手段となるかもしれない。


ちなみにグループの合意案は、ソーシャルネット的な機能とTVを結合するものだった。TVを見ている間に仲間内でチャット、あるいは「盛り上がり」を入力することで、他のチャンネルが盛り上がっているかどうかを共用できる、、とかなんとか。


こうした提案をするたび思うことだが、どうも私は「友達とつながる」という概念が薄いのではないかと思う。「SNSの機能を取り入れてはどうですか」と指摘を受けるたび「僕友達少ないんです」といっているが、それは本当なのかもしれない。


またちなみに、先ほどのアイディアは私のオリジナルではない。慶応大学の渡辺氏の研究ReflectiveClockのパクリである。


さらにちなみに、昨日11時すぎに家に帰ると机の上に子供の手紙が置いてあった。


「ログハウスつれていって。ログハウスだいすき」


「クイズ おレがいきたいのはどこでしょう」


「メッセージ おとうさんは ばんがったね」




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さて二項目目「私がTVメーカーに絶望した訳」については明日。


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