「ぼかりす」に関する仮想的な対話

2008-05-01 00:00



新人:”あの歌”を聴きましたか。


ベテラン:ああ。


新人:あれは本当に初音ミクの声なんでしょうか?それとも人が歌った声に何のエフェクトをかけてVocaloidっぽくしたとか


ベテラン:.....


新人:そもそも誰が何の目的であんな動画をアップしたんでしょうか


ベテラン:俺にはわかってる。


新人:は?


ベテラン:俺には誰がやったのかわかってる。後藤一派だ。こんな真似ができるのは彼らしかいない。


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この「こんな真似ができるのは○○しかいない」ってのは巨人の星*1(多分それ以前)からのフィクションの定番だが、現実世界でこの台詞を使う機会はほとんどない。いや、一度やってみたかったんですよ。では続き。


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新人:何を根拠にそんなことを。


ベテラン:元歌はRWC研究用音楽データベースにあったものだ。今までニコニコ動画にRWCの曲がアップロードされたことがあったか?ほとんどのpはRWCなどという言葉すら知らないだろう。RWCを使っているのは音楽関係の研究者だ。


となれば、犯行グループは音楽情報処理の研究者でかつ、ニコニコ動画、Vocaloidに深い興味を持っている人間だ。そんな人間がどこに集まるか?


去年Yamahaで行われた音楽情報処理研究会では、Vocaloidの発表に対して熱い議論が巻き起こっていただろう。犯行グループはあの出席者の中にいる。


新人:でも、あのときはすごく盛況で、参加者もたくさん、、そもそもあなただって出席してたじゃないですか!


ベテラン:私がこれを作るなんてことは、実年齢30歳の女性が22歳であることを証明することくらい難しい。あの研究会に出席していた人間の中でもこんなことができるのはほんの一握りだ。


新人:ほんの一握り


ベテラン:そして犯行グループは、「わざと」手がかりを残して行った。PROLOGUEという曲名、それに謎の「ぼかりす」という単語だ。この単語でググれば、ほらでてきた。やはり後藤一派だ。


新人:...でも、どうして彼らはこんな事をするんですか。しかもこれだけ大騒ぎになっていながら、うp主からはコメントの一つもありません。


ベテラン:彼らはオタの心を読み切っているのだよ。仮に「研究成果を披露します。詳細は研究会で」などと書こうものなら


「売名乙」


「税金つかって何やってんだ」


とか罵詈雑言が飛び交うに決まっている。自分から出てはいけないのだ。情報の断片だけ放り出しあとは何もださない。情報飢餓状態におかれたオタは狂ったように情報をあさり、ブログに書き、ニコ動画にコメントし、そして5月に行われる研究会に関心を持つ、というわけだ。


新人:(しばらく考えた後に)彼らはプロの研究者ですよね。研究者がこんなことして何の意味が有るというんですか?論文の数、特許の数にカウントされるわけじゃないし、ベンチャーが立ち上がるわけじゃないし、、


ベテラン:熱だよ。


新人:熱?


ベテラン:後藤一派に一度会ってみるといい。彼らから感じるのは研究に対する純粋な「熱」だ。それは論文や特許で数えられるものじゃない。学会の塔の中に閉じこもり、権威としてふんぞり返るなんてことは考えた事もないだろう。


「熱」はひたすら発散し、伝搬してく。「ぼかりす」が巻き起こした騒動を考えてみろ。これは彼らの熱が伝搬し増幅されたものなのだ。


しかし感心ばかりしているのも面白くない。ここで一つ戯言を書いておこう。もうすぐ首になる貧乏サラリーマンにも独り言をいう権利くらいあるだろう。


「初音ミクのオリジナル曲を歌わせる事ができるか?」


さあどうだ?