ニコニコ動画にみる多様性

2008-08-28 00:00


少し前の話になるが、とあるシンポジウムでこういう発言を聞いた。


「ニコニコ動画は新しいものなど生み出していない。ただコメントをつけるだけで新しくもない」


こうした「よく知らないものに対する決め付け」は私の得意技だ。前にも書いたような気がするが


「声優の声で歌ってくれるパッケージソフト発売」とかなんとかいう見出しとともに、初音ミクの絵を見たとき、同じようなことを考えた。ああ、またこういうくだらないソフトが、と。


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幸いだったのは、私にしては珍しく「きめつけ」のままで終わらなかった点だ。何かのきっかけで見始めてからはあれよあれよ。ニコニコ動画に爆発する多様な才能には驚かされ続けている。


なぜ改めてこんなことを書いているかといえば、この動画



D


正直に書くが、「ワールドイズマイン」も最初の30秒聞いただけで、放り出していた。そのあとランキングで一位になったのを知り、改めて聞いてみる。ああ、私のバカバカ。なんでこんないい曲を聴き逃していたのか。


この動画はその名曲に、初音ミクをベースのリアルな「女の子」の絵柄をのせたもの。私が安っぽいと感じるアニメーションには非常に形式化された女性の描き方がある。目がと胸と尻が巨大で、二の腕は申し訳程度に存在している絵柄だ。


この動画はそのような絵とは全く異なる。「女の子」の揺れる感情を表しており素晴らしい。


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ニコニコ動画のように、「少しゆるい場」には様々な人が、才能があつまり、それらが触発し合うことによって新しいものが生まれていく。パリに集まった画家たち、あるいは他にもそうした場は過去に存在したのだろう。


ニコニコ動画がそれらと異なるのは、私のような野次馬が非同期かつ勝手にその様子を見ることができる点だ。


いやいや、踊るなんとかに見るなんとか、というではないか。だいぶ前にアップロードした「歌ってみた」だが、ポツポツと再生してくれる人がおり、コメントを残してくれる人がいる。やっぱり見ているだけじゃねえ。


     底辺コラボ計画中


え?何もいってませんよ。幻聴じゃないですか?