個を消すことでなりたつコミュニケーション

2008-10-15 00:00


最近リグレトというサイトをよく見ている。


みんなで「ヘコむ」を楽しもう!というフレーズの通り、弱音を吐き、それに対するなぐさめ、というか言葉を登録できる。


ここで面白いと思うのは、このサイトにおいては、個人を特定するということが徹底的に排除されているという点。


誰が何度弱音を吐いたのかは本人にしかわからない。またなぐさめるのが上手な人がいるのか、そうでないのかも他人にはわからない。


弱音を吐いた人は、なぐさめにたいして「ありがとう」をつけることができる。たくさん「ありがとう」をもらった人は「リグレトの母」(古いか)としてカリスマ化する、、なんてこともない。



しかし考えてみればこれは一種の割り切りだと思う。個を消したがゆえにこのサイトのコミュニケーションは上手に成り立っているのではないか。もし個を(それが仮に匿名であっても)を特定できれば


「いつも同じぐちばかりはいてるね」


とか


「もうちょっと役に立つなぐさめが言えないの?」


とか摩擦が生じることは間違いない。


このサイトは「個」を隠すことにより、そうした摩擦を防いでいる。インターネットならではの面白い試みだと思う。