川崎にベルフィンフィルを聞きに行った

2008-11-26 00:00


11/23、川崎にベルリンフィルを聞きに行った。


詳細な感想は後で本家に書くつもりだが、一言でいえば



圧倒された。



演奏が始まる前、アナウンスに従いiPhoneの電源を切った。後で気がついたことだがこれには意図せざる意味があった。


いつでもどこでもネットにアクセスできるようになり、手持無沙汰となれば、すぐにiPhonをいじりだす。


しかしネットにアクセスすることで得られる情報や体験というのはある一定以上の範囲を超えることはまずない。それゆえ時間が均質に、だらだらとすぎるようになっているようにも思うのだ。そうした中にあって、ベルリンフィルの演奏を聴いている時間はまさに「異質な体験」だった。



音色の高いものから低いものまで何本もの弦楽器がメロディを一体となって奏でる。それは今まで聞いたことのあるどのオーケストラの音色とも異なっている。何か得体のしれない音がうねっているように思える。


低音を奏でる弦楽器をピチカートで演奏する。確かに複数の演奏者が奏でているはずなのだが、どう聞いても音は一つだ。なぜこんなことができる。


後でパンフレットを読めば、ベルリンフィルのメンバーは常に苦悩と恐怖に直面しているとのこと。確かにそうだろう。これだけレベルの高いオーケストラにおいては、失敗への許容度は限りなく狭いのではなかろうか。



自分が演奏を志していたとしたら、この演奏を聴きどのように感じたのだろうか。素晴らしい目標ができたと思うのだろうか。それとも逆なのだろうか。



とかいつになくいろいろなことを考えた。チケットはとても高かったのだが、時々「これに金を使わないで何につかうのだ」と思える体験ができることは幸運だと思う。