Q:が配達されてから、音が出るまでの長い道のり

2008-11-05 00:00


前回までのあらすじ:ハイビジョンサウンド会議に出席した男は、ハイビジョンTVとQ:の音の差に驚愕する。「これに金を使わずして何い使うんだ!」と勢いでモニターを申し込んだ男は、家に帰り、物をおく場所のないリビングを眺め「はたしてここにあのQ:を設置できるものか」と悩むのだった。


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というわけで、Q:のモニターである。まともな感想やらレビューが見たい人はこちらを参照してください。ここに書くのは私の身に起こった様々なできことだ。


Q:を発送しました、という連絡があったのが木曜日。金曜日家にかえったら届いているかな、、と思えば「不在配達票」とかそういうものが入っている。どうやら家の人間が不在だったらしい。翌日「あの不在票はどうした?」と聞くと


「今日の6時以降に頼んでおいたわ」


と返事が来る。さようかと思っていると、そのまさに夕方、奥様から電話があり「今日遅くなったから外で食べよう。子供つれて出てきて」ということである。ちょっとまて、今から荷物が来るというのに、、と文句を言える場合ではない。黙って子供に服を着せ、外にでる。


食事をすませ家に帰れば、やはり不在票が届いている。私は「明日の午前中届けてください」とお願いをする。この配達のやり直しって何度までやってくれるのだろう。こんなことをしている間に、モニター期間が過ぎてしまったら目も当てられない。


今回のモニター参加者のための掲示板というのが設置されており、そこには続々と「設置しました」という書き込みがなされている。ああ、どんな音なのだろう。聞いてみたい。どうやってつなごう。奥さまを説得するためにはぜひクラシックですばらしい音がでてほしいものだが、とかあれこれ考え続ける。それとともに


「あのリビングにはたして設置できるのか」


という疑念も頭の隅に残り続ける。


さて、日曜日である。私は家にいるから、荷物は受け取れます。子供たちを連れ出してほしいと言われ、素直に子供たちの手を引き近くの本屋に行く。立ち読みするだけである。帰りに近くの図書館で本を借りる。さて、と家に戻れば、黒い「Q;」とかかれた箱をもったお兄さんが歩いている。あれに違いない。


やれうれしや、ということで家に戻れば奥さまはまさに私の部屋を掃除中である。そこに「ぴんぽん」と呼び出し音が。たたたたととをあけ、荷物を受け取る。黒い大きな箱だ。とりあえず自分の部屋に置く。すると奥様が


「これは何?」


と聞く。私は


「スピーカー。すごくいい音なんだ。モニターに応募したから2週間借りられるよ」という。


その瞬間奥さまの怒りが炸裂する。



「そんなものどこに置くのよ。だいたいこの部屋は何。わけのわからないものがあってちっとも掃除できないじゃない。あの本棚の上にあるカセットとかもうきかないでしょ。全部捨てなさい。あたしがひと拭きで掃除できないでしょ!」



思えば奥さまはこのような恨みの言葉を吐きながら私の部屋を掃除していたに違いない。そこに素晴らしいタイミングでQ:の到着だ。そりゃお怒りにもなるわな。



しかしなあ、、これじゃとてもリビングにQ:を置いてためさせてくれなんて言えない。それどころか箱を開けるのさえ危険すぎる。しょうがない。もうこのまま箱も開けないで返そう。せっかく送っていただいて申し訳ありませんが、返品します。申し訳ありません。申し訳ありません。


それはそうとして、部屋の片づけをしなくてはらない。自分にとってはいろいろ思い出がつまったビデオのたぐいだが、捨てざるをえないようだ。とりあえず我慢できるものはすべてすててしまう。あれをこちらにやり、これをそちらにやり、となんとか本棚の上が奇麗になる。これで掃除もできるだろう。



というわけで翌日も過ごす。掲示板をのぞけば、いろいろな感想が書き込まれている。一番巨大なサブウーハーが取り出しにくいという言葉にさっそく中道社長から「改善します」と返事がくる。ううむ。このスピードはすばらしい。しかし私に試す機会は訪れなそうだな。。


などと考えているうちに、他の人のレビュー記事を読みだす。そこで私は一筋の希望を見出す。


【Q:モニタープログラム】サラウンドスピーカ『Q:』を設置してみる【ハイビジョンサウンド会議】という記事を見ると、なんとMac Bookの周りに設置しているではないか。そうか。リビングに置かなくてもいいんだ。私の部屋の中にちんまりと設置するだけならきっと許してもらえるだろう。


というわけで火曜日、仕事を早めにきりあげ家に帰る。とはいっても家の仕事をあれこれしなくてはならないから腰を据えて設置というわけにはいかない。しかし短い時間をかき集め箱を開ける。中には大小様々な箱が詰まっている。それをひとつづつあけて中身を取り出す。思ったより小さい。一番小さな箱を開けると中には何もはいっていない。外を見れば


「これはスペースを埋めるための箱です」


とかなんとか書いてある。ちゃんと注意書きを読みましょう。最後のサブウーハーは多くの人が書いていたように取り出しに苦労する。しかし私には時間がない。強引に取り出してしまう。設置もきわめて簡単。スピーカーにつながるコネクタは形が違うので接続間違いのしようがない。ちょこちょこしているうちに設置完了である。


さて、では音を聞いてみましょう。というわけで「プリキュア」だ「ポケモン」だと言っている子供たちをどかせる。Mac Book にアナログで接続し、さあ電源On.



しかし何も聞こえない。どうしたことかと思えばボリュームが0だった。どどどどどと上げていくと音が流れ出す。


最初は「あれ、こんなものかな?」と思う。しかし何曲か聴いているうちに、それが今までとは全く異なる音の体験であることに気が付く。ブラームスの一番を流す。曲の冒頭、ティンパニーの音が規則的に響く。のだめカンタービレでは、マスミちゃんが大活躍する場面だ。それを聞いてるうち思わず目をとじて聞き入っていることに気が付く。


「思わず目をとじる音」


なんてコピーとして、、、だめですね。すいません。でもいいんです。実態はその通りだから。


しばらくあれこれ聞いた後、iTunes Storeで買った「崖の上のポニョ」を聞く。すると子供部屋から


「お父さん。ポニョが聞こえて眠れないんですけど」


と子供たちの声が響く。すいません。もう消します、というわけでその日のQ:体験は終了。週末には光ケーブルで接続してDVDを見てみよう。