「孤独」という本を読んでいる

2008-12-01 00:00


近年とにかく「コラボレーション」とか「コミュニケーション」の必要性が叫ばれることが多い。


しかしこの本には「孤独」が創造性あるいは感情面でどのような役割を果たすかが書かれている。


何度か書いたことだが、「常に携帯端末でネット接続」というのはいかがなものかと考え始めている。興味深い情報を得られることは確かだ。しかしその分


・現実の環境から引き離される


・「少しだけ面白い情報」ばかり見ることになる


という問題があるように思うのだ。


であるから、私は「孤独」であることを追及したいと思う。新しいアイディアは議論のなかから生まれるとは限らない。きっかけは議論であっても、それを育てるためには個人の中での思考が必要になると思うのだ。そして「常時接続」はその思考時間を奪う危険性を持っている。


マルクス・アウレリウスの夢は書斎に引きこもり思想をめぐらすことにあった。ローマ皇帝の夢がだ。自省録を読むと彼の心の声が聞こえるようだ。彼が彼なりの幸せ-書斎に引きこもること-を得なかったことは彼の不幸であったかもしれないが、それゆえ残された言葉には多くの人が影響を受けることになった。もっとも彼の言葉によれば死後の名声など何の役にもたたないのだが。