移動時間

2009-01-28 07:19

少し前のことだが、移動時間にはあまり仕事というものができなかった。できたのはせいぜい書類に目を通したり、説明の練習をしたりといったことだった。

私より少し前の世代は名古屋から東京に出張といえば夜行列車で行ったと聞いた。それを聞いてなんとすばらしい、と思った。強制的に前夜は仕事を終え電車に乗らなくてはならない。翌日の始発に間に合わせるなんてことはあり得ないのだ。

夜行列車の中では少なくとも会社でコピー機と格闘しているよりは、よく眠れたのではないかと思うのだが。

これがもう少し時代をさかのぼると、移動時間はより長く、そしてその間仕事をする手段というのはもっと限られていた。日露戦争の頃を描いた文章を読むと、軍司令官であっても船旅の間はのんびりと過ごしている。

ここで話を現代に戻す。新幹線、飛行機を使っても移動時間はとにかく短い。その上携帯電話あり、ノートPCありで仕事が”できてしまう”のだ。

それで世の中が便利になったかといえば、そうした側面もあるのだろう。実感するのは宅配便。その昔地下鉄で数駅行き、JRの駅まで荷物を取りに行ったことを思えば、宅配便が登場する前と後で生活は随分変わった。そして宅配便の効率化には通信網の発達が寄与していると思うのだ。

とはいえ

私はとても怠け者なので、昔の生活を、仕事のテンポを懐かしく思うこともある。船での移動中碁をうったりしながらすごすってのは素敵だな。。