著作権が切れることのすばらしさ

2009-02-05 08:25

 協議会は今後も、著作権保護期間の延長を訴えていく方針。三田さんは「延長しても利益が出る著作物は限られている。金銭的な利益のために保護期間の延長を求めているのではない、プライドの問題だ」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/23/news117.html

ここまでくると、もはやなにをか言わん、といった状態なのだがまあまともに取り合ってもしょうがない。

最近iPhone上で青空文庫を読んでいる。このようなテキストを入力してくれる方には感謝のほか言葉がない。

あれこれ読んでいてひとつ気がついたことがある。

たとえば芥川龍之介。歯車、河童などは高校生のころ文庫本で読んだ。

今はもっと有名でない作品、猿蟹合戦、桃太郎などを読んでいる。
すると芥川賞の発端であるところの大作家でさえも、

”なぜ作品が有名でないかといえば、それなりの理由がある”

ことに気が付く。一言でいえば面白くないのだ。今ネット上で手に入れることのできる情報は、泥沼のようなものだと考えているが、有名でない作品は、その泥沼に沈んでいくようなものと思える。

名もない人の短文であっても、これらの作品よりおもしろくかつ考えさせられたものがあったように思う。

もちろん全集とか読めばこうした文章に触れることもできたのかもしれない。しかし私のような貧乏人が芥川の全集など買うことはまあありえない。

そう考えれば、やはり”ビバ!著作権期限ぎれ”と言いたくなるわけだ。その人はどんな作品を残したのか。自分で触れ考えることができるのはやはり素晴らしい。只だから”高い金払ってつまらない作品読むとは”と後悔することもないしね。

ちなみにシャーロックホームズシリーズでも”有名でない作品にはそれなりの理由がある”はあてはまる。というか、なんだかホームズがのんびり移動してるなあと思えば、それは不必要に被害が拡大するしるしなのだ。

さらにちなみに夏目漱石の文章は、断片的なものであってもどこか味があって面白い。また太宰とか石川啄木とか、どうしようもない駄目人間だなあ、、とかあれこれ発見した気になっている今日この頃である。

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(追記)ちなみに文豪達のダメ人間さかげんに関する考察はこちらを参照されたい。