政治家と会社の上司

2009-02-12 07:09

麻生君は、やれ漢字が読めないだの、発言がぶれている、だとの批判を浴びているようだ。

それらがどんなものであるか、それにどんな意味があるのかは私の関心事ではない。漢字を読み間違えようが、言ったことが180度変わっていようが、どうでもよい。とにかく景気を良くしてください、というのが多くの国民の思うことではないかと思う。

さて

今日言いたいのはそのことでもない。

仮に会社の上司が麻生君のような読み間違いや、発言のぶれをしたとしよう。

誰がそんなことを気にするのだろうか。いや、気にしたとしても誰がそのことを指摘するのだだろうか。


仮に

”部長。この前言ったことと全然ちがうじゃないですか!”

などと言おうものなら、仮にその場は溜飲を下げたとしても、1年後には首になることだろう。ここでちょっと友達の話をしよう。

友達は社長にある構想を説明した。社長は”僕はロングテールをマーケティングの対象にするのは非効率じゃないかと思ってるんだよ”といった。まあTVでCM流せばものが売れた時代の人だからしょうがない、と思い、友達はそのまま引き下がった。

後日皆の前で全く別の構想をプレゼンした。説明の中にはロングテールなどという言葉はどこにもでてこない。

ひとしきり質疑応答があった後、社長が”僕はロングテールを。。”と全く同じコメントをした。友達はそれを黙って聞いていた。しかし我慢できなくなり

”今日私はロングテールについてはひと言も触れていませんが”

と言ってしまったのだ。

その結果友達は1年後にはその会社を追い出されることになった。

俺も馬鹿だったよ。いや、違う。上司に従い、馬を鹿と呼ぶような馬鹿になり切れればまだあの会社にいたかもしれない、と友達はぼそっとつぶやくのだった。

かくのとおり会社の上司という立場と、日本国の総理大臣という立場は随分要求されるものが異なるようである。

会社の上司という点では最強に近い某御手洗氏も、あれこれボロが出始めているようだが、幸いにも彼は政治家ではない。なんとかこの危機も”なかったこと”にするのではないか、と野次馬としては見ている。