マグロ漁船の教え

2009-03-31 07:49

こんな文章を見つけた。

「便利になれば幸せになる、というのは全部幻ぞ」 むしろ不便な方がみんなで助け合ったりして、心の中に幸せを感じるし、難しいこともできるようになるんど、と漁師さんは言います。便利ばかりを追求して人とのコミュニケーションを考えないようになるのは問題だ、という考えですね・・・確かに。

http://www.ideaxidea.com/archives/2009/03/maguro_book.html

元ネタはマグロ漁船に乗り込むことになった男が船長さんから聞いた話なのだそうな。

便利になれば幸せになる。これは正しくもあり間違ってもいる。つまるところ幸せというのはそんなに簡単なものではない。

たとえばこうだ。水をひねれば清潔な水がでてくる。スーパーに行けば食料品が並んでいる。これは驚くべきことであり、便利この上ない。誰もが井戸や川から毎日水を運んでくる(しかも不潔な)生活には戻りたくない。

戻りたくはないのだが、じゃあわれわれがそれによって毎日楽しく暮らしているか、といえばそうではない。小さな携帯画面をひたすら眺め、そしてそういう人たちは大抵の場合笑顔を浮かべていない。

ユーザインタフェース、ユーザインタラクションの研究においても

便利=幸せ

という単純は図式はよく見受けられるし、

精度が高い=幸せ

というもっと単純化した図式もよく見る。

これらにはどうしようもない危うさがつきまとっているのだが、そこを理解したり掘り下げようとする人はあまり多くない。

何が幸せかをまともに考えだすと”じゃあ一旦不幸せにして、そこから普通の生活に戻そう”とか言い出すのでまともに考えないほうがいいのかもしれない。しかし少なくとも

”精度が高い”=幸せ

の図式は間違っている。もうちょっと控え目にいえば範囲が狭い。
このことは主張しておきたい。