映画評:2012

2009-11-26 07:38

頭が動かない日は本家から転載。

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これは日本映画ではなかろうか。考えてみればこの監督が作ったGodzilla にも同じように感じたな。しゃべってるのも日本語だし、ってそれは私が日本語版を観ざるを得なかっただけか。

いや、まじめにそう考えているのだ。これは50−60年代の日本の特撮映画のパロディではないか?そう考えれば主人公はどこか若き日の高島某に似ているではないか。

予告編を観たときから思ったのだ。深刻なのか、ちょっと茶化したトーンなのかよくわからないと。観てみれば深刻でも茶化したものでもなくただのゴミ映画だった。

地球が滅びるのはまあお約束。ニュートリノが物質と相互作用を始めるのもいいだろう。新しい粒子が見つかるのはよくあることだ。しかし"惑星直列"は勘弁してもらえないだろうか。私のような年頃の人間は大予言だの惑星直列だのグランドクロスだのは聞き飽きているのだ。

そこから例によって世界観光地壊滅巡りが始まる。日本はどうでもよかったのか一家族が吹っ飛ぶだけ。主人公ご一行が危機一髪で助かる場面が連続するがそのうちどうでもよくなり

"この映画館の天井には証明がいくつあるのか"

を 数えだす。というかこれだけVFXの予算を使って、よくこんなに退屈な映画を作れるものだ。黒人大統領は指揮官としての責任を放棄し、権限の委譲すらせず、つまり未来を捨て残った人達に語りかけようとする。合衆国大統領としていかがなものか、という議論は脇におき、そこまで覚悟したのだからせめて彼に ちゃんと演説をさせてやればいいと思う。しかしこの映画の制作者はそれすら許さない。

そ う考えると、この映画を貫く"気持ち"は合衆国大統領のそれより、現在の日本の首相に近い。友愛ボートだよ。みんな平等に助かる権利がある。とかなんとか いいながら、罪のない脇役はぼこぼこ殺されるし、画面の外で死んでいる数十億人は全く考慮外。中国人労働者の家族も友人も見殺しだけど、でも目の前にいる 可哀想な人を救わなくちゃ。友愛だよ!

友 愛ボートにたどりついてからがとても長い。現首相の施政方針演説のようだ。観ているうちに"この船とっとと沈んでしまえ"と思った人は結構多いのではなか ろうか。主人公一行の蛮行のおかげで溺れ死んだ人もきっといるのだろう。原子力空母JFKがホワイトハウスに激突するなどのDark Humorもあり、そういうエゴ、グロ満載の映画として開き直れば存在意義もあったと思うが、それには黒人科学者が友愛すぎる。

となれば今の日本国首相に心からの喝采を送る事ができる人はこの映画を楽しむことができるやもしれぬ。そう考えるとやっぱりこれ日本映画じゃないのかなあ。

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長々と書いているが、要約すれば

"破壊シーンの悪趣味さは特筆に値するが、友愛科学者がだらだらするおかげで全体が台無し"

といったところだろうか。

破壊シーンでは実に細かく人間が死んでいることがわかる。予告編でもやってた

"バチカンの建物が崩れ、信者を軒並み押しつぶす"

ところなぞこれでもか、というくらいに細かく書かれている。

ふと考えたのだが、このVFXはそのままに、タランティーノに作らせたらすごい映画ができたのではなかろうか。ああ、イングロリアス・バスターズ見に行けるかな。。