革新的着想はどこから生まれるのか

2010-03-02 08:18

いきなり引用から始める

革新的な着想を生み出すのは、エンジニアであろうとマーケティング担当者であろうと、デザイナであろうと構わない。ただ、その人が深い洞察力をもって問題を理解し、新たな着想に至ることができるかどうかが問題である。そのための素材として、ユーザー調査にもとづく問題点の把握は有用であると考える。

via: ノーマンの間違い - 創造的ユーザビリティと標準的ユーザビリティ/HCD-Net通信 #19 | Web担当者Forum

私はノーマンの意見により共感を覚える。"ユーザ調査による問題点の把握"なんかいくらしたって革新的な発想には結びつかない。それはほとどの場合"より速く、快適に乗れる馬車"を生み出すだけなのだ。

黒須氏の意見に説得力がないのは、実例が伴っていないからではないかと思う。逆にノーマンの意見をサポートする実例は歴史をみれば事欠かない。

・ライト兄弟も、リリエンタールもユーザ調査なんかしなかった。というかあの時点でどれだけユーザ調査やったところで"空を飛ぶ"ニーズなんか生まれるはずはなかった

・パーソナルコンピュータの出現もユーザのニーズに基づくものではない。

・何度か書いた昔話だが、Googleが生まれる直前"検索エンジンの競争は終わった。これからはポータルとしてどれだけ使いやすいかが重要だ"という意見が支配的だった。あの時点で"よりよい検索エンジン"の必要性にたどりついていた人がどれだけいたのか

その発想を生み出すのが誰でも構わない、というのには半分だけ同意するのだが、、まあそれは別の話。

というわけで黒須氏も自分の主張をサポートする実例を挙げてはいかがなものかなあ、と思った次第である。