独創性を別に蓄積

2011-07-19 07:57

なぜこんなタイトルが付いているかはいつか明らかにするとして。。
何度か書いたことがあるような気がするが気にしない。日本のケータイソフトを作り、体を精神を壊したエンジニア達について少しは思い出してあげよう。

ケータイサイトのバッドノウハウ

ケータイサイトの作成は、バッドノウハウだらけです。あれもできない、これもできない、しょうがないからこうしとけ、そんなことが非常に多い世界です。

こういったノウハウは蓄積しても、メーカーやキャリアの規格変更であっさり使いものにならなくなります。資産として使えるノウハウや技術ではないことが多いわけです。

via: iPod touchとiPhoneは日本のモバイル市場の未来を破壊する:らばQ

はっきり言わせてもらうと、携帯電話にもはや 技術の蓄積は存在しない。経験年数3年未満の 若年層だけで場当たり的に「修正&修正」手法で 開発する体制に、技術の蓄積なんて奇跡が起こる はずがない。

現場の実務を行う連中に経験年数4年以上が皆無な のは、長くても3年で心身を壊して引退してしまう 為だ。1日4時間未満の睡眠で年中無休勤務じゃ、 3年持てば立派な方だよ。現場では頭脳は求められず 専ら体力勝負だから、体育会系なら5年ぐらい持つか もしれない。そしたら実務を下に丸投げして、無茶な スケジュールを叫んでさえいればいいので、うまく 行けば無能管理職として居座る事が出来るかもしれ ない。この業界は、上にさえ登れれば無能による 開発のトラブルや遅延の責任は現場に全て転嫁する 事が許されるので、末端から切り捨てられていくので 管理職以上は何をやっても安泰である。

via: clausemitzの日記:iPhoneが出ると地獄 - livedoor Blog(ブログ)

「情報技術者35歳定年説」というものがあった。私の経験範囲内ではこれは「笑止」としかいいようがないシロモノだ。経験のまっとうな蓄積は、体力の衰えを補ってあまりある、、、などと真面目に反論するのも馬鹿馬鹿しい。

じゃあこれはなんだったのか、といえば上に引用したように「体力だけが物を言う」職場がたくさん存在する、ということなのだろう。確かに「日本のケータイソフト」を作っている現場では35歳を超えるとつらかろう。

書いていて悲しくなるのは

そうしたエンジニアたちの努力、費やした時間が何の役にもたたなかったことだ。今や携帯電話売上台数ランキングはスマートフォンが独占している。ケータイのOS,アプリ、その上で動くWebページを作るための膨大な努力はなんだったのか。Android, iOSがきたらそれでおしまいなのか。

悲しいことだが実際にそうなのだと思う。私はケータイのOSには触ったことがないが、某巨大自動車部品メーカーが作った「カーナビアプリ構築フレームワーク」なら触ったことがある。歴史と、それに費やされた費用だったら決してiOSにひけはとらないと思う。

しかしその出来の差は「竹槍とB-29」よりもっと大きい。幼稚園児のらくがきとフェルメールの傑作くらいの差はあるだろう。

これらはソフトウェアのアルゴリズムがどうとかそういう大上段な話ではなくて、ユーザが実機で使ったときに「ちょっとでもスクロールがもっさりしてはいけない」というような、学者肌で理論派の開発者が苦手とする、言葉での説明が難しく、たいてい安易に妥協されがちな「フィーリング」の部分です。私は、その非言語的な価値に徹底的にこだわるその姿勢に、アップルの真骨頂をみました。そして何よりも、こうした問題が場当たり的に解決されるのではなく、ベストプラクティスがソフトウェア的に蓄積されていくというのが、汎用のOSやライブラリを持っていることの真の意義なのです。

via: iPhoneという奇跡:Kenn's Clairvoyance - CNET Japan

35歳以下のエンジニアが膨大な時間を費やした努力は結局なんだったのか。