はてなから退会しました

2012-03-14 07:10

スパムメール送信システム、「はてなボトル」に切れて以来、はてな依存をだんだん薄めていたのだが、今回の件で「はてなにアカウントを持っていること自体危険かもしれぬ」と思うようになった。

2011年9月に、新しい収入源の開発と、ウェブサイトを訪れた際に最適な広告が表示されることでより価値の高い情報が手に入ることを目的に、はてなブックマークボタンで収集した行動情報の第三者への販売を開始しました。

ブックマークボタン本来の目的は、「ブックマーク数が分かる」ことと、「簡単にブックマークできる」ことです。このボタンの表示から得た訪問者の行動情報を第三者に提供することは、ボタン本来の目的から考えて間違った情報の使い方でした。

当初はこうした行動情報の提供を行わない仕組みで提供開始したボタンを、途中から仕様を変更した点や、仕様変更の際に、事前に十分な告知を行わなかった点も間違っていました。ウェブサイトの閲覧者が、はてなブックマークボタンが設置されたページを訪問した際に、行動情報を取得されないよう設定が簡単にできるオプトアウト機能を準備しなかった点も誤りでした。

via: はてなブックマークボタンから収集した行動情報の第三者提供をやめます - はてなの日記 - 機能変更、お知らせなど

言葉は難しいが要するに

「黙ってあなたの行動情報を外部に売るようにしてました。てへっ」

というわけだ。そういえば、mixi もこれに類する仕様変更に切れて退会したな。しかし今から考えれば、mixiは

「事前に仕様変更を告知する」

という点においてはてなよりはるかに良心的であった。

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いや、それだけならば「よくある失敗」として苦笑いする程度で済んだかもしれない。しかしはてな社長の「反省の弁」を聴こう。

ブログTwitterはてなブックマークコメント欄などに書き込まれた皆さまのご意見を読みながら、この数日間、スタッフたちと議論を重ねました。その結果、根本的に、はてなブックマークボタンを使って、行動情報を第三者に提供する事自体が誤りである、という結論に達しました。

via: はてなブックマークボタンから収集した行動情報の第三者提供をやめます - はてなの日記 - 機能変更、お知らせなど

この「謝罪文」にすっぱり抜けているのは、

「なぜそのような誤った判断をすることになったのか。どこに問題があるのか。それを改善するために、何をするのか」

である。つまりこの文章を読む限り

「同じようなことをまたやりますよ」

と言っているようなものだ。

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はてなの近藤社長は大変チャーミングな方だと聴く。ほんの少しだけ言葉を交わしたことがあるのだが、その会話からもそうした印象を受けた。それは事実かもしれないが、上場を目指すのであれば「会社」としてしっかりしてもらわなくては困る。

今回の「謝罪文」を読んで、はてなから退会した自分の判断が正しかったと確信するにいたった。

もっと早くそうするべきだったのかもしれないが、「はてなアンテナ」を最後まで使っていたのでね。

未だにRSSで更新情報を取得できないサイトはいくつか存在する。そういったサイトの更新情報を取得するのに使っていたが、他のサービス(例えば、私が敬愛する珍寺大道場は小嶋氏のTwitterをフォローしていれば更新情報は所得できる。

教科書的なものの言い方だが、気に入らなければすぐに他のサービスに乗り換えられるのが、webサービスのいいところ(提供する側にとっては悪夢だが)だ。あとは「はてなブックマーク」の人気エントリーだけ代替手段が見つかれば完全に脱はてなができるのだが。