暴君ならいいというわけじゃない

2012-04-03 07:32

というわけで、本日書くことは昨日の続き。情勢が混迷を極めるとき、

「みんなの意見」

で舵を取ることはとんでもない結果を招きかねない。こうしたときは人のいうことを聞かない暴君が必要とされる場合もある。

さて、先日某宴会でソニーの人と少し話した。御社はいかがですか?と聞くと相手は

「だめです。何もかも予算がきられて。CEOが変わる?中身をとっかえないとだめです」

といっていた。覚えている人は少ないだろうが、20年前、ソニーは世界が憧れる企業だったのだ。それがこの状態だ。

こうなると定期的にわいてくるのが久夛良木健待望論(最近は「久夛良木がCEOになっていれば」という仮想戦記的な内容だが)である。

やっぱハード&ソフトの設計はクタがいないとダメだな。

via: とりのまるやき PSVITAの設計はクタラギに任せるべきだったなorz

こういうのを床屋談義というのだろう。

今回も噂レベルの情報ながら、Cellアーキテクチャの廃止によって、その複雑な構造に苦戦した一部のデベロッパーには歓迎されるかもしれないとKotakuは指摘。同時に、今は一線を退いた久夛良木健氏のプロジェクトであり、PS3以外のソニー製デジタル家電などにも搭載されているCellをなくすのは、過ちを認めたかのように見なされる可能性があるとも言われています。

また、PS3の後継機でCellプロセッサが廃止された場合、後釜にはCPUとGPUを一体化したAMD Fusionが採用になる可能性も推測されています。

via: 噂: PS3の後継機ではCellプロセッサが廃止 - Game*Spark

結局Cellとはなんだったのか。最後の最後までその「スーパーコンピュータ並みのすごい演算性能」は見せてもらえないままだった。

これほどの「無能さ」をさらしても未だに「久夛良木がいれば」という人間がいるのには驚く。

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さて政治の世界に目を移してみよう。恥ずかしながら告白するが、私も自由党時代の小沢一郎には一時期待したことがあった。投票したい政党がないときは自由党に投票したこともあったのだ。

しかし

民主党が政権を取り、首相はルーピーだが実質的に小沢氏が政権の中枢にあったとき、彼が何をやったかは多くの人が覚えていると思う。議員をたくさんひきつれ中国に行った。収入を増やすめどもないのに、支出を莫大に増やした。すべての陳情は自分を通せと言い張った。その結果も多くの人はご存知だと思う。

それでも時々「小沢にやらせておけば」という声が聞こえるのは面白いところだ。おそらく彼が政権から離れれば離れるほどこうした床屋談義は増えるのだと思う。

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久夛良木も小沢も一種の暴君だと思う。暴君であることは必要条件かもしれないが十分条件とは何の関係もない。こうした集合の包含関係の間違いは人間がよくやることなのだが。
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よく知らないのだが、橋下という人が新たな「希望を集める暴君」として宣伝されているようだ。

彼がどんな人間か、その政策については知らないのでコメントしない。ただ一つだけいえることは

大阪維新の会が、次期衆院選の公約として策定を進めている「維新版・船中八策」の骨子が13日、判明した

via: 【激動!橋下維新】「船中八策」8つの柱、概要固まる(1/2ページ) - MSN産経west

「維新」だの、「船中八策」だの時代がかった言葉で自分を飾ろうとする人間にはろくなものがいたためしがない、ということだ。嘘だと思うなら過去に「昭和維新」を唱えた人がどんな人間だったか考えてみればいい。