スマートTVに必要なたった一つの機能

2012-05-18 06:42

いいですか?皆さん一度しか言わないから(嘘)よく聴いてください。

それは...


スイッチをONしたら、映像が流れる

これがないものはダメです。これができないものを製品化するとすれば、それは「売り手」の立場にたっている。残業で疲れて家に帰った時、リモコンをかちゃかちゃ操作して画面上野使いにくいボタンを何度も押したい人はいますか?

これが圧倒的な普及台数を誇りながら任天堂がTVサービスに失敗ばかりしている理由だ。

このたび、2012年4月30日をもちまして『Wiiの間』のサービスを終了させていただきました。
サービスをご利用いただいていた皆様にお詫びを申し上げるとともに、
三年にわたるご愛顧に心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

via: 「Wiiの間」ホームページ

任天堂が 3DS用の映像配信サービス『いつの間にテレビ』を今年の6月20日をもって終了することを告知しました。『いつの間にテレビ』は、フジテレビや日本テレビが提供するオリジナルの短い3D番組を無料で視聴できるサービス。昨年の6月21日から提供されており、ちょうど1年をもって終了することになります。

via: ニンテンドー3DS『いつの間にテレビ』は6月20日で終了。『ニンテンドービデオ』は継続 - Engadget Japanese

理屈の上ではこの構想は完璧だ。圧倒的普及台数を誇るWiiとDSの上で、無料で視聴する番組を放映する。収入は広告モデル+視聴者の行動データ。

しかしこれらはいずれも失敗に終わった。なぜか。動画にたどり着くまでの長い長い道のりは、あれは冗談ですか?

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私が知る限り、このことに真正面から取り組んだのは、かつてはてなが提供していたRimo

ネットに情報があふれた結果、自分で情報を探し、そこから取捨選択の判断をするという使い方は限界となりつつある。このような調査結果やユーザー動向から、スマートフォンやタブレットのように、アクティブに情報に接するだけでなく、受動的にインターネットを楽しむことが求められていると判断。「徹底的に受け身でインターネットを楽しめるように作られたのが光ボックス+です」(清水氏)。

via: 本田雅一のTV Style:受動的なネット利用がカギ? NTT西日本「光ボックス+」の戦略(1) - ITmedia +D LifeStyle

だけである。特に後者は興味深い。

「NTTとは思えない」というと、清水氏は苦笑いしたが、光ボックス+はデザインやコンセプトが利用者サイドに立って考えられており、なおかつストレートに意見を反映するのではなく、ユーザーがどうやってインターネットを使っているのか? に立ち返った作りになっている。官僚的なイメージがあるNTTブランドからすると、光ボックス+の自由な発想は、良い意味で異質だ

via: 本田雅一のTV Style:受動的なネット利用がカギ? NTT西日本「光ボックス+」の戦略(1) - ITmedia +D LifeStyle

今後はYouTube映像のソムリエ的存在としてキュレーターを用意し、何人かの著名キュレーターの選定するYouTubeチャンネルを展開する。

via: 本田雅一のTV Style:受動的なネット利用がカギ? NTT西日本「光ボックス+」の戦略(1) - ITmedia +D LifeStyle

このキュレーターの存在など興味深いではないか。あれこれやってわかったことは

「所詮コンテンツをフィルタリングできるのは人間」

ということだ。自分がフォローしているキュレーターの番組が、スイッチONで流れる。これでいい。これしかやってはいけないのだ。

難しいのは「機能を実現すること」ではなく「機能を削ること」。つまるところそれは

そもそも、"Insane Simplicity"(常軌を逸したほどの単純性)とは、何だろう。本誌のニューヨークスタジオに来たSegallに、まずそれを聞いてみた。彼の答はAppleのファンボーイたちを喜ばせ、Androidユーザをいらだたせるだろう。それは結局、無駄を排除する経営プロセスがある、ということに尽きる。

via: Appleの成功をマーケティングの側面から分析した本: Insane Simplicity

経営プロセスによるのだ。そうでなければ、仮に担当者が「シンプルにしました」という製品を提案したところで、「あれもつけろ」「これもつけろ」とごてごて機能が肥大化していく。そしてこれができあがるのだ。

ロボット家電「COCOROBO」<RX-V100><RX-V80> ●<RX-V100>の写真はイメージです。

 シャープは、「人工知能」「音声認識※3」「センサー」「スマートフォン連携※4」などの先進機能により、快適で安心感のある暮らしを提供する「ロボット家電」を提案します。

via: ロボット家電「COCOROBO」を発売 | ニュースリリース:シャープ

ダメな製品を貶すことは簡単だが、NTT西日本が提案してきたこの面白いコンセプトはどうあろう。日本の大企業をみくびってはいけない。表にはでてこない面白い人がうようよ存在しており、何かの「隙間」があればそうした人がでてくるのだ。

日本から再び面白い、画期的な製品がでてくるとすれば、それは大きな企業の傍流からでてくるのではないか。そんなことを考えさせてくれる製品だ。