日米ベンチャーの違い-ハードウェア編

2012-07-06 07:01

私は、事業の評価に「若い」だの「女性」だのをついていると、反射的に身構える。「かわいい検索」など正直言ってひどいものだった。

しかしこの記事には反応せざるを得ない。

その後、ダニエルはカナダのダルハウジー大学を卒業し、17歳でプリンストン大学大学院に進むと、プラズマ物理研究室で博士課程の勉強を始めたが、結局ここを中退することに(学術研究の世界も小学校と同じようにつまらないと思ったのが理由)。そして20歳の時にライトセイル・エナジー(以下、ライトセイル)というヴェンチャー企業を知人と創業し、現在は同社の主席科学者(Chief Scientist)として働いている。

via: 「電力網の再発明」を狙う、少壮の天才女性科学者 « WIRED.jp

女性だか若いだかは問題ではない。実に重要なポイントに挑もうとしているベンチャーというのが私が注目する理由だ。

震災直後に比べれば、自然エネルギーに関する滑稽な言説は減ったと思われる。しかしそうした言説があろうがなかろうが問題は存在している。つまり風力だの太陽光だのは「足しにはなっても頼りにはならない」存在だということ。もちろんあなたが、

「電力は時々つかえればいいや」

と割り切っているなら話は別だが。
問題は電力を貯蔵する安価で効率的な手段が存在しない、というところにある。この記事の技術的内容にどの程度信頼が置けるかは判断できない。しかし

ソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)グループで自然エネルギー事業などを手がけるSBエナジー(東京都港区)は1日、京都市と群馬県に建設した大規模太陽光発電所(メガソーラ20+ 件ー)の運転を開始したと発表した。

via: ソフトバンク、メガソーラー2拠点で運転開始 | Reuters

こんな取り組みよりはるかにまともなものに思える。本当に未来が自然エネルギーにあると信じるのなら、今メガソーラーを作るより、その金を自然エネルギーの(現在は)致命的な欠点を解決する技術に投資するのほうが正しいのではないか?もっとも金を儲けようとしているのであれば、話は別である。

でもって問題は標題に戻るわけだ。Discovery channelとか見ていると、米国にあまた存在しているらしい「ハードウェアのベンチャー」の取り組みについて驚嘆することが多い。列車を代替するもの。飛行機を代替するもの。

夢の扉+を時々みることがある。(最近TV自体ほとんどみないが)そこで取り上げられている和製ハードウェアベンチャーを見るとき、日米ソフトウェアベンチャーを見る時とは違う

「うーむ」

感を感じるのだが。

ある起業家は、「日本は面白そうとかCool(クール)なものを追いかけ、米国は問題を解決するスタートアップが主」と語る。

via: なぜスゴそうな人も大ゴケするのか? テーマで間違うスタートアップ|インキュベーションの虚と実|ダイヤモンド・オンライン

こうした傾向は確かに存在しているのかもしれない。問題は日本の社会にあまた存在している。なぜその問題に正面から取り組もうというベンチャーが少ないんだろうね?