裸の王様が望むもの

2012-07-27 06:54

楽天のkoboに関して、まともな情報、議論が得られるのは2chだけである。昨日電車の中で関連スレッドを読んでいるとき、壁にkoboの広告が貼ってあることに気がついた。まだ売っているのだ。

2chで心に残った文言を引用してみる。

今回デカイのは、 「三木谷は優秀な社長と言われているが、自分の製品を触らず、愛さず、チェックせずトップセールスする奴なんだ」、 というのが白日にさらされたことだな。 ジョブズを始めとする米のIT社長とは致命的な差があることをバラした。 俺の中で楽天は完全に消えた。
三木谷は、発売開始まで方々に顔出してドヤ顔でkobo自慢してたけど、 クレームの嵐になってからは雲隠れして逃げ続けてるよね。

末端役員に釈明させて、サポセンの薄給バイトに苦労させまくってさ・・・

格好悪いにもほどがあるぞ、三木谷。

おそらくこれは、経営者としての大本のスタイルにかかわることだと思う。自分を何をしたCEOとして記憶されたいか、ということだ。

おそらく三木谷氏は「新しい巨大な会社を立ち上げて、年商1兆円を達成した経営者」として記憶されたいのだろう。その昔楽天研究所を受けたさい、読まされた本にそう書いてあった。彼は

「年商が一兆円になったら引退する」

と公言していたのだ。

流通総額が1兆円を超えたら「一丁あがりで引退する」というのが、創業時代の口癖。

via: 成功のコンセプト|ヒューマン|WEB GOETHE

これに対してSteve Jobsがつまるところ何に自分を一体化していたか。それは

「最高の製品を作り上げる」

ことだった。

ここからは全くの想像である。

おそらく両者とも、要求の多い、厳しいボスなのだろう。「この時期までに発売しろ」と言えば、誰も簡単に「それは無茶です」とはいえないに違いない。

しかし

開発が意のごとく進まず、製品の品質が低いままだったときどうするか?

三木谷氏がやりたいことは、「売上を増やすこと」。それ故三木谷は自分で製品の出来をチェックもせず、ひたすらセールスマンとしての宣伝に力を注いだ。とにかく売るのだ。そして売上をあげるのだ。

Steve Jobsが今回のKoboのような製品を手にすれば、(伝説から想像するに)壁に投げつけ、担当した人間を首にするだろう。それは「最高の製品を作り上げる」というJobsの意図から遠いところにあるからだ。

人の価値は危機の時に表れるというが。。