WISS2012にいってきたよ(その4)

2012-12-13 07:30

というわけで今日がきっと最終回になることでしょう...本当かな?

産総研が開発し、公開しているSongriumというシステムがある。

Songrium: 関係性に基づいて音楽星図を渡り歩く音楽視聴支援サービス
濱崎 雅弘,後藤 真孝(産総研)
本研究では,楽曲やミュージックビデオ等の音楽コンテンツ間の多様な関係性を意識しながら,Web上で新たな音楽コンテンツに出会うことができる音楽視聴支援サービスSongrium (ソングリウム,http://songrium.jp)について述べる.Songriumでは,音楽コンテンツ間の明示的あるいは暗黙的な関係に名前を付ける「矢印タグ」という枠組みにより,音楽コンテンツ間のつながりの共有と利用を可能にする.

via: プログラム - WISS2012

これに関して、私は先日こう書いた。

ここで私は「ガクッ」となり床に手をつく。何が書いてあるかわからないからだ。年をとって細かい文字が読めないからかもしれぬ。若い人ならこの重なった小さな文字が読めるのだろうか、とも考えるのだが。

via: ごんざれふ

つまりは脳天気な批判をしたわけだ。いや、仮にこの文章を後藤さんたちが読んだにしても、心が広いというか余裕がある方たちだからきっと笑って読み流してくれるだろう、と半ば期待しながら。

--------
初日に後藤さんに挨拶したとき「Songriumのご指摘ありがとうございます」といわれ大変恐縮する。それからあれこれあった最終日。わーい。自分の発表終わったし、あとは発表聞いて帰るだけだーと思っていたら後藤さんに声をかけられる。

「あれを直すとすればどうしますか?」

と問いかけられたのだ。その後First Authorの濱崎にも声をかけていただいた。恐縮至極である。

何事もそうだが無責任な批判というのは大変楽しくかつ楽なものだが、提案は大変だ。それからの会話全てを再現はしないが、わかったことは

・私が偉そうに指摘していたModelとViewの分離はちゃんと考えている
・具体的にはニコニコ動画であれば、派生動画との関連も非常に重要だが、それをあえて衛星のような形に抽象化し、表示量を削っている。(つまりViewを分離して考えている)
・表示が込み入っているという問題も理解はしているが、音楽情報の解析結果に意味があり、かつユーザからポジティブなフィードバックがあるため、それを削るわけにはいかない。具体的には、各楽曲の配置に特徴があり、その位置関係を崩したくない。


なるほど。。と私は深い沈黙に陥る。最近Goromi-Tubeをタブレットに移植しており、その操作感、どこにでも音楽を持ち運べる便利さに目覚めているのだが、後藤さん達としてはあくまでもWebインタフェースに拘りたいとのこと。であればフリックでわっさわっさと表示を切り替えて行くのは無理だ。

さて、問題です。どうすればいいでしょうか?

-----------------

というわけで空いた時間にあれこれ考える毎日である。まずはトップ画面

top.png

ここで特徴的なのは「サイハテ」が一人ぽつんと離れたところに位置していること。とてもよい曲なのだが、特徴量を解析するとこうなるらしい。(私も2曲ほど歌っておりますが)

しかしこの画面が読めないという問題は厳然として存在するわけだ。これをどう解決しよう?一つの方法は

「重なっているものを順番に点滅させること」

ではないかと思う。つまり他のノードと重なっているものを一度に表示するのではなく、アルファを変化させながらチラチラさせるのだ。その方法をとるとある程度の時間眺めていないと全体がわからないのだが、今の画面はどう眺めても理解できないのだから、少しはマシなはず、、、と言い切れるかどうか。これは実際に作ってみないとわからない。

では、私が前にとりあげた記事で書いた「一曲から伸びる矢印が重なって読めない」という問題はどうか?

ちらちらさせる、というのは一つの解決案。もう一つ時間方向に定常な案としては「マインドマップ的」な矢印の変形というのがあり得る。つまり矢印は目的に向かって直線である必要ななく、重ならないように変形させてもいいはずだ。これをやれば重なりは回避できる。問題は図がどうしようもなくダサくなることだ。

-------

Songriumのインタフェースについて話しを聞くと、それが非常に考えた末の結果であることがわかる。それと同時に

Functional, but no elegant, not beautiful

という思いも湧いてくる。ここらへんは何を優先し、何を諦めるかというプロジェクトの指針にも関わることであるが。

いやいや、そう簡単にあきらめては行けない。任天堂宮本氏の名言を思い出そう。

宮本さんによれば、
「アイデアというのは
 複数の問題を一気に解決するものである」

via: HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN - 1101.com

そう考えれば私に足りないのはideaということになる。もう少し考えよう。