2つのIT企業の物語

2013-01-17 07:04

というわけで、Appleの株価が下がっている。きっかけは最初は日経、ついでWSJなのだそうな。

日本経済新聞は1月14日、Appleが1カ月ほど前から、ジャパンディスプレイやシャープなどのサプライヤーへの液晶パネルの発注を大幅に減らし始めたと報じた。

 同様の内容がその後、米Wall Street Journal紙でも報じられた。こうした報道の背景には、Googleの人気OS「Android」をベースとしたスマートフォンを開発し、世界市場でシェアを拡大しつつある韓国Samsung Electronicsなどのライバル勢の躍進がある。

via: iPhone 5の販売伸び悩みか 「ディスプレイ発注を半減」報道でApple株下落 (1/2) - ITmedia ニュース

信頼性では実績のある日本経済新聞である。東スポ以下だといえば東スポが「失礼な」と怒るような日本経済新聞である。今朝はこんな記事を載せていた。

全国2400店の家電量販店を調査するBCN(東京・千代田)が16日、昨年12月のデジタル家電の販売動向を発表した。タブレットの販売台数シェアでは、ネクサスをグーグルと共同開発し、生産する台湾エイスース(華碩電脳)が44.4%を獲得。アップルは40.1%で、10年5月のアイパッド発売以来守ってきた首位の座を譲った。

via: グーグル、タブレットでアップル逆転 低価格武器に  :日本経済新聞

こちらもAppleのシェアに関しては「信頼が置ける」BCN調べの数字を記事にしてしまうところが日本経済新聞らしい。そもそもBCNの数字にはApple Storeの売上は入っていないのだ。その他にも過去には独創的な手法で「SonyのウォークマンはiPodより売上が上!」とか楽しい主張をしてくれた(最近は面倒になったのか、こんな調子だが)

この件に関しては様々な考察がなされているようだ。一人のApple狂信者としては、

「この報道が真実だとしても心の準備はできている」

という悟りきった心境だ。もう一つ共感した記事を引用しておこう。

The critics that are screaming right now are intellectually lazy. They're throwing temper tantrums instead of looking at the big picture. Like two-year-olds, they don't really know what they want. And they're not happy when they get it, anyway.

via: The Market Wants Apple to Unveil a Time Machine - Dan Pallotta - Harvard Business Review

iPhoneが登場した時、その脅威について正確に認識した人はごく少数だった。大多数の人は「タッチでは文字入力はできない」とか「片手で使えるからガラケー最高」とかまじめに論じていたのだ。だからこういう噂記事にいちいち喜んだり悲しんだりはしない。今はSSD容量の大きいMac Book Airがでてくれないかな、と静かに願っている。

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その影で、かつて

「Steve Jobsがやることは、会社を解散して残った金を株主に返すことだ」

と言ったCEOが経営する会社がひっそりと表舞台からさろうとしている。

匿名の関係筋からの情報として、複数の米国メディアが Dell がプライベートエクイティ会社との間で身売り交渉を進めていると報じている。交渉が成立した場合、Dell は非公開企業となる。だが専門家の多くは、今回の買収が成立する可能性は低いとしている。

via: Dell が身売りを検討-米メディアが報道 - インターネットコム

そうだよなあ。実家の母が使っているノートパソコンDellだけど、壊れてばかりだもんなあ。。。

かつてDELLのビジネスモデルがどれほどの賞賛とともに記述されていたか。そのことをぼんやり覚えている私は「盛者必衰」という古の理を思い出すのだ。かつては強大で無敵と思われたSony,Sharp,Panasonic,日本国債よりも安全と思われた東京電力の株、これらがいずれも没落する姿を目の当たりにした私は、その理を信じている。

いずれAppleにもその運命が訪れる。その時も私はApple狂信者でいるだろう。