賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

2013-01-07 07:04

思うにこういう愚かなメディアが存在している限り、この手の「音声で自由に対話できるエージェント」は存在し続けるんだろうなあ。

HMN(ホームネットワークシステム)とは、テレビや洗濯機、ルームライトなどの家電をネットワークで接続し、音声やジェスチャーなどで遠隔操作するシステムです。SF映画によく登場する未来の技術が、ここまで実現しているのには驚きを隠せませんね。

via: 神戸大学がやりおった! 『初音ミク』が家電を操作してくれるHNシステムを開発(動画あり) : Kotaku JAPAN

あのさ、そんなもの何年も前から何度も何度も何度も作られてるんだよ。

風呂のお湯の温度を調整するのに大苦戦し、フィノはまるで言うことを聞かず、ユビキタスホームといっても住んでみればオール電化の家との違いは説明しにくいなぁ、などと思いながら、日々は過ぎていく。

via: 【レポート】実験住宅「ユビキタスホーム」へ引っ越してみた (4) テ・レ・ビ・ヲ・ツ・ケ・テ | 家電 | マイナビニュース

これを読むとおそらく「音声認識の精度が上がった」のが唯一の変化に思える。しかしこの手の「対話エージェント」が出る度に「未来が現実になった!」とはしゃぐ愚かなメディアは必ずセットで湧いてくる。

このデモを作った研究室についてはコメントを差し控えたい。デモビデオ集を見ると、これでもかというくらい

「UI開発失敗パターン」

にはまっているところから、私と意見が違う人なのだろうなあ、とは思う。

といったことをつらつらと考えていると、題名の言葉が思い出されるわけだ。少し「歴史」を紐解けばこうしたシステムが

「よくあるパターン」

であることがわかる。それをやらずに自分の経験の範囲内だけで「これは新しい!」と思うんだろうなあ。

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先日池上なんとかという人が「なぜバブルは30年毎におこるのか?」と説明していた。彼の説明によれば

「バブルで痛い目にあった人が引退して、代替わりするのが30年だから」

とのことだったように思う(横耳で聞いていたので間違っているかもしれん)人間馬鹿なので、自分が体験しないことにはバブルの恐ろしさを学ぶことができん、ということだろうか。

あるいは本当に賢い人は、自分が体験しなくてもバブルについて学び、その混乱を利用して一儲けするのだろうな。