進むべき道がわかっている幸せな時代

2013-01-24 06:52

昨日Facebook経由でこんな記事を知った。

HAL研のPC-8001用PCGボードをフル カラー対応に改造する。高木ひろみちゅ先生が高2の頃にI/O誌に投稿した記事。640x200のタイリングで表示されるDig Dugっぽいもののサンプル画面が初代PC-8001とは思えない。

via: Twitter / Ackieee: HAL研のPC-8001用PCGボードをフル カラー ...

セキュリティのご意見番としか認識していなかったひろみちゅ氏がこんなことをしていたとは!今の若いものにこの640x200のフルカラーがどんな衝撃だったかを伝えるのは難しいと思う。当時の8001の解像度は160X100でしかも2X5単位でしかカラーの指定ができず、しかも(以下10万行続くが省略)

そのころは

「ああ、こんなに解像度が細かくなったら一体どんな素晴らしい未来が開けるのだろう」

とまじめに考えていた。つまり「解像度を細かくする=幸せ」という非常に幸せな時期にいたわけだ。

どんな新製品にもこういう幸せな時期がある。前に進むのは確かに辛い。しかし進むべき方法がわかっていれば、前に進む勇気も湧いてくる。そして前にすすめば幸せがやってくる。

しかしそうした時期は長くは続かない。「イノベーションのジレンマ」で言うところの「性能がユーザの要望を追い越してしまう」点が必ず訪れるのだ。

そこからは、ひたすら道を前に進んでも結果がついてこなくなる。そして「あんなショボイハード」と言っていた製品に叩きのめされることになる。そして自分が進むべき道を見失ってしまっていることに気がつく。

不幸にして日本の家電メーカーはいつまでたってもこの図式に気が付かないようだ。

ELUGA Xを「今考えられる最先端の機能を全て搭載した最強のフルスペックスマートフォン」

via: 「今考えられる最先端の機能を全て搭載」――パナソニック モバイル「ELUGA X」説明会 - ITmedia Mobile

大型テレビは昨年、シャープのシェアをソニーと東芝が奪う形で推移した。それでは「画像のリアリティーの高さが魅力」(道越氏)の4Kではどんな勢力図が描けるのか。

 「付加機能ではなく、本質機能を先鋭化させた製品が生き残る」と道越氏は分析する。価格が安定する大型テレビでの優越が業績にも直結しかねず、4Kを軸とした市場争奪戦が始まる。

via: 「大型4K」で変わるテレビ勢力図 生き残りへ各社の戦略は (2/2) - ITmedia ニュース

TVは画素数をひたすら増やし、そして(コンテンツもないのに)画像に磨きをかける。スマートフォンはひたすら最先端の機能を搭載する。そうすれば売れるだろう。

彼らはまだPC-8001の時代に生きているようだ。

渡辺氏は最後に、「本当に全部入り。すべてが詰まった最強のスマートフォン。ELUGA Xを買えば、2年、3年と長く使えることをお約束します」と、その仕上がりと自信のほどを語った。

via: パナソニックがELUGA X説明会「他社と十二分に戦える」 - ケータイ Watch

あのさ、2年3年使えるかどうかに一番関係するのは、OSなの。ソフトなの。でPanasonicは今後3年ELUGA XのOSをアップデートすることにコミットすると宣言したわけ?