大統領選という「戦争」

2013-02-19 06:58

何度か書いたことだが、アメリカでの「競争」というのは基本的にルールを決め、それを守った上で妥協なく相手を叩きのめす。Winner takes allという言葉はアメリカに一番よく当てはまる。(もちろんそれだけじゃないけどね)

そうした観点からすると、大統領選挙というのは実に面白い。そして彼らが戦争のために編み出す戦術というものも。

「たった160人のサンプルで実施した調査の結果をもとに、リソース配分に関する重要な決定を下すなどまったく馬鹿げたことだ。しかし、これまで何十年もそういうことが行われてきた」

via: 世論調査の限界を超えろ--オバマ陣営のデータ戦略は「有権者を一人ずつ数える」 - (page3) - ZDNet Japan

オバマの選対は、従来よりもはるかに細かい単位で有権者を把握し、そして戦術を編み出していったのだそうな。その様子は以下の言葉で表されている。

データをめぐる軍拡競争

via: 世論調査の限界を超えろ--オバマ陣営のデータ戦略は「有権者を一人ずつ数える」 - (page2) - ZDNet Japan

そう考えれば、大統領選挙はデータ分析の実験と活用の場でもある。こうした話と、会社で聞こえてくる

「十年一日のごとく繰り返されるぼんやりとした分析と称する何か」

について考えるとき、漠然とした危機感を禁じ得ない。大統領選挙という「戦場」で鍛えられた技術、手法、ノウハウは他の産業にも応用されうるかもしれない。そうした時我が国に対抗ができるのだろうか?

それがハードの軍事技術のように、簡単に民生に転用できないものなら問題はない。しかしこのマイクロターゲティングは容易に他の分野に応用出来るはずだ。

とかお国の事情について憂いている場合ではないか。とりあえず自分の心配をしないと。