線をどこまでも伸ばしていこう

2013-04-12 06:44

というわけで、世の中には「スマートフォンの画面はもっと大きくなくちゃ!」という声が満ち溢れてる。少なくとも供給者サイドからはそうだ。

でもってこんな意見もあるのだそうな。

メーカー「デカイのが流行りだし、5.5インチのGALAXY NOTE2も売れてるし、おれらも5インチだ!」

お客様「なんでこんなデカすぎて使いづらいのばっかのか、マジでわけわかんない。」

via: 【画面の大きさの話】結局、何インチがいいの?: 未分類: iPhone愛用中ドコモ店員のブログ

ここらへん作り手と使い手の意識のギャップがあって面白い。自由なアンドロイドはどんどん大画面の方向に向かっている。Galaxy Noteを使っている人はたまにみかけるが、ついにはこんなのも発売されたのだそうな。

サムスンがスマートフォン Galaxy シリーズの新製品 Galaxy Mega 6.3 / 5.8 を発表しました。低価格高カロリーメニューのような名称のとおり、6.3インチまたは5.8インチの大画面が特徴です。

via: サムスン Galaxy Mega 発表、6.3インチの大画面Androidスマートフォン - Engadget Japanese

供給者側がひたすら大画面を目指す理由はいくつもあると思う。「実際売れているから」という意見もあるだろうが

上記2機種は、ドコモショップでは
「こんな小さいの、使えるわけない!」
と言われることも多いです。

しかし、ほぼ同じサイズのiPhoneがベストセラーというのは不思議ですよね。

via: 【画面の大きさの話】結局、何インチがいいの?: 未分類: iPhone愛用中ドコモ店員のブログ

3.5インチでもiPhoneは売れている。(はいはい。信者がおおいんですよね)

私の推測では「大画面化は社内での稟議が通りやすい」からではないかと思う。だってわかりやすいもの。会社組織では。大きな画面はスペックが高い。表示面積も増え、、、あーだこーだ、散々メリットを並べることができる。

でもってそれを否定する「社内稟議的」な理由を見つけるのは難しい。かくしてどんどん画面が巨大化していくのであった。

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同じ事はTVの解像度についても言えるのではないかと思う。時代は4kですよ!

潜在ニーズの1つは、もちろん高精細な大画面=4Kテレビだ。まだ4Kのネイティブコンテンツは手に入らないが、それだけでは4Kテレビを否定する理由にならないという。

via: 「絶対、テレビをコモディティにはしない」、ソニーの意志表示 - ITmedia LifeStyle

55型を超える大きさでは4kが「圧倒的」なんだそうな。まあTVに50万払える人はそう思うんでしょうね。

高解像度かすればニーズはある、というのは正しいかどうかしらないが、社内稟議的に通りやすいというのは理解できる。

かくして消費者ニーズをおいてけぼりにして、メーカーは自分たちが快適な方向にひたすら走り続けていくのであった。

というか

「絶対にテレビをコモディティにはしない。やることはたくさんある」

via: 「絶対、テレビをコモディティにはしない」、ソニーの意志表示 - ITmedia LifeStyle

私が知る限りこの「やることはたくさんある」というのはRed flag wordである。進化が止まった(と薄々感じている)道にしがみつくとき、人はこの言葉を発する。

コモディティにしないのは結構。つまり「ソニーの良さがわかり、50万払うのも厭わない」人に向けホソボソと作っていく方向に舵をきるのだろうし、それは正しい判断だと思う。

上記ITMediaの記事を開くと、右側にソニー製品の広告がずらっと表示される。それをながめ、かつてのソニーファンは複雑な気持ちになる。