Steve Ballmer

2013-09-26 06:28

何度も書いていることだが、私はバルマーのファンである。(多分こういう人は世の中に多くないと思う)そしてMicrosoft CEOとして最後に近いインタビューでのこの言葉を聞こう。

Ballmerがコメントしたのは、Microsoftのモバイル市場における立場についてだけではない。この日それ以前に、彼は自分の会社がモバイル機器で「シェアはほぼゼロ」だと語った。さらに彼は自分が現実主義者であり、Microsoftが消費者向けハードウェアで弱い位置にいることにも困惑してないことを明言した。もちろん、何ら驚く内容はないが、CEOが自社のビジネス状況についてためらいもなく詳細を語るのを聞くことは、やはり新鮮である。

via: スティーブ・バルマー最大の後悔は「ケータイという新デバイス」に乗り遅れたこと | TechCrunch Japan

彼が語っているのはVistaに集中し過ぎていたため、Mobileへのリソース配分が遅れたという後悔。自分の失敗を正直に述べることができる人は多くない。

もちろん仮にVistaの開発が順調に行っていたとしても、彼らがその余剰リソースをMobileに向けたという確証はない。しかしVistaの影響がこんなところにもあった、というのは興味深い話だ。

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今や反原発電波じいさんとなってしまった中島氏だが、過去の発言には耳を傾ける価値がある。彼がマイクロソフトのカルチャーについて述べた言葉を聞こう。

マイクロソフトのカルチャーは、ビル・ゲイツそのままで、その一番の目標は「勝つ」ことにある。マイクロソフトにとって、「良いものを作る」のはそれ自体が目的ではなく、「市場で勝つ」ための手段である。

via: Life is beautiful: ソウル(魂)のあるもの作り

多分これは本当なのだと思う。それ故私は仮にVistaがうまくいっていても、彼らはMobileに投資しなかったと思う。「敵」がいないところに彼らは戦いを挑まない。敵がいない、新しいブルーオーシャンを切り開く、というのはMicrosoftのやり方ではない。

他の会社が切り開いた新しい市場に、後からでていって制覇するのが彼らのやり方。(据え置きゲーム機のように、制覇したはいいが市場が死にかかっている例もあるけどね)問題はなぜかMobileの世界ではそのやり方が(今のところ)成功していない点にある。

彼らのカルチャーにのっとれば、ひたすらOfficeを軸にし「相手が失敗するまで粘る」というのが一つの方法。もう一つは「エンタープライズモバイル」という新しい市場(会社とMicrosoftにはうれしいが、従業員にとっては悪夢のような)を作り、そこを支配する、という方法。あとどうすればいいのだろう?それこそ「マイクロソフトの入社試験」の問題に出したいほど難しくて面白い問題だと思うが。