Mac OSが無料になることに対する反論

2013-10-29 07:10

私は基本的にこの反論は筋が通っていると思う。

So, when I see Apple drop the price of their struggling, lightweight productivity apps, I don't see a shot across our bow, I see an attempt to play catch up.

via: Apples and oranges - The Official Microsoft Blog - Site Home - TechNet Blogs

彼が言おうとしていることは「Surface, SurfaceProでは最初からOSの代金はなかったし、Officeも無料でつけていた。だからAppleがOSとiWorkを無料にしたのは"我々においつこう"としているだけだ」

筋は通っているのだが、おそらくいちばん大事なポイントに言及しないで済ませている。つまりMicrosoftは他のハードウェアメーカーに未だにOSを有償で提供しているということだ。

デヴァイスのハードウェアとソフトウェアの両方を作っている会社は、利ざやをどこに置くか選択することができる。

via: 「OS X無料化」が意味する新時代 « WIRED.jp

もちろんOSの開発にはものすごい費用がかかっている。その金はどこかで回収しなくてはならないが、それをどこで回収するかはAppleが自由に決められる。

残念ながらMicrosoftにはそれができない。こういうことだ。例えばSurfaceのテコ入れをするため、価格を赤字覚悟で$99に下げることを計画したとしよう。

ところが彼らにはそれができない。なぜならば、それ以上の値段を他の会社がPCを作るときにOS+Officeの代金として徴収しているからだ。つまり他の会社はどうがんばっても、(WIndowsとOfficeを搭載している限り)Microsoftにとられている以下の価格でハードウェアをうることはできない。もちろんMicorsoftが

「これからWIndows搭載のハードは全てMicrosoftだけが製造する!」

と決意すれば別だが。(実は最初にSurfaceが発表されたとき、Microsoftがそれをやるのではないか、とちらっと考えたのだが)

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しかしこれも何度も書いていることだが、Microsoftの反論ブログの「明確な論理」には感服せざるをえない。OSもOfficeも無料、SkypeやSkyDriveもついてくる。USBポートやSDカードスロットもありだ。そのうえ価格はiPadより高くない。

こう書かれるとグウの音もでない。しかし次の簡単な文章で論破されてしまうのが気の毒だ。

Shaw would do better by getting Microsoft to make a product that people actually want to buy.

via: Doubling down against the iPad

ShawはMicrosoftがみんなが実際に買う製品を作るようにしたほうがいいよ。

今頃Redmondでは一生懸命Surface3の設計が進められていると思う。多分彼らはいまある線を一生懸命延長してくるだろう。そしてソニーを打ち負かしたように相手が自滅するのを待つのだ。いつの日か無料Officeの価値をユーザが認めてくれることを願いながら。