失敗と成功を分けるもの

2014-04-17 07:24

先日見つけた文章で印象的だったものを以下に引用。

ベゾスはAWSの収益予想を尋ねられたとき、長期的には収益が上げられるようになるが「スティーブ・ジョブズの失敗」を繰り返したくないと回答したという。iPhoneは驚くほど利益があがる価格で販売されたが、そのためにGoogleなどの競合をスマートフォン市場に引き寄せてしまったことをベゾスは失敗だと見なしたのだ。

AWSは確かにまだそこまで利益を生み出していない。しかしながら、ことさら低く設定されたAWSの料金はベゾスが意図した効果を生み、スタートアップ企業がこぞってAmazonのプラットフォームを使うようになったにもかかわらず、Google会長のエリック・シュミットはこの事態に2年以上も気付かなかったそうだ。

via: 【気になるIT書籍】Amazon奇才経営者の実像に迫る『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』 | TechCrunch Japan


利益率が大変高い製品を生み出す。これは誰もが望む「成功」ではなかろうか。しかしベゾスはそれが「失敗」だと考えたのだ。

最初AmazonがAWSを発表した時「何だこれは?」と思った。おそらくGoogleもそう思ったのだろう。たいしてもうからないものをなぜ始めるのか。Googleが発表したApp Engineは「なるほど。こう来たわけね」と思えた。

しかし今やAWSは信じられないくらい広範囲に使用されている。世の中のデータセンター屋とかはまさかこんなことが起こるとは想像だにしなかっただろう。

ベゾスの戦略はまんまと成功した。

Larry Tesler は、 Bezos が Steve Jobs じゃないってことを口説いたかもしれない。でも Bezos には分かっていた。全ての人にふさわしいプロダクトを提供する為に、彼が Steve Jobs になる必要はないっていうことを。インターフェースワークフローこそが、人々が気に入り、安心感を得るものなんだっていうことを。彼はサードパーティ開発者にそれを可能にするだけで良かった。そうすれば、後の事は自動で進んでいく。

via: Steve Yegge の Google とプラットフォームに関するぶっちゃけ話を訳した(中編)

Larry Tesler は、 Bezos が Steve Jobs じゃないってことを口説いたかもしれない。でも Bezos には分かっていた。全ての人にふさわしいプロダクトを提供する為に、彼が Steve Jobs になる必要はないっていうことを。インターフェースワークフローこそが、人々が気に入り、安心感を得るものなんだっていうことを。彼はサードパーティ開発者にそれを可能にするだけで良かった。そうすれば、後の事は自動で進んでいく。

via: Steve Yegge の Google とプラットフォームに関するぶっちゃけ話を訳した(中編)


彼はSteve Jobsではないし、Steve Jobsになるきもない。スタイルは違うがおそらく同じくらい頭が良いのだ。

そんな記事を読んでいる傍らでこういう記事を見る。

代わりに「新御三家」として台頭したのが、ディー・エヌ・エー(DeNA)、グリー、サイバーエージェントの「メガベンチャー」3社だ。

via: 激変、東大生の就活!新御三家はこの3社! | 週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト


多分これは何かの政治的動機で書かれた記事とは思う。しかし暗澹たる気持ちにならざるを得ない。「メガベンチャー」って何かの冗談か?