非業務コミュニケーションの「効率性」

2014-05-02 07:39

というわけで新年度である。キックオフである。飲み会である、という記事があれこれの議論を巻き起こしている。元記事の人が主張しているのは「チームビルティング=飲み会はいかがなものか」ランチでいいではないか、というものである。

論点はいくつかあり

まず「ご飯は一人で食わせろ」派

飲み会が嫌だっていう人と同じぐらいランチが嫌だって人もいるので結局問題解決してない

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次に「飲み会でいやなのはタバコだ」派。

タバコさえなければ飲み会でも問題はない

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はてまた「そもそも仕事のコミュニケーションは仕事中に行えばよい」派。

いらん。あほか。相手をどう知ろうが仕事には関係無い。必要な情報伝達できればそれで仕事は回る。馴れ合いと身内化を欲しがるのをやめな。

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私がここで語りたいのは最後の意見についてだ。多分こういうことをいう人は、こういう仕事しかしていないのだと思う。「これをやれ」「やりました」というやらされ仕事だ。

というか多分先日行われた「安倍、オバマお寿司ミーティング」もそんな様子ではなかったかと思うのだ。

オバマ氏は外交辞令や会談でのジョークなどを好まず、本題だけを話したがることで知られる。昨年2月に訪米した安倍首相との昼食会でも、バイデン副大統領らがワイングラスを傾ける中で、オバマ氏の前にはミネラルウオーターの瓶だけが置かれていた。「彼はビジネスライクだけど、それは仕事をするという意味では別にいい」安倍首相は最近、周囲に淡々とこう漏らした。

via: 安倍首相がオバマ大統領来日について愚痴る 寿司屋に入る前と出る後で表情に違いも


これもひとつの仕事のやり方である。こういうのは個人のスタイルの問題ではあるのだが、オバマの業績が今ひとつ冴えないのもこんなところに根本的な問題があるのではなかろうか、と思ったりする。

歳を重ねるごとにわかることだが、人間は所詮感情の動物である。合理性だの論理的だのというのは99%の場合自分の感情を正当化するための手段でしかない。

確かにジョークだの世間話はすっ飛ばし仕事の話をバシバシ進めるというのは一見効率的ではある。しかし本当にそれが「効率的」かどうかについてはあまり自信がない。というかそれでは結局「やれ」「やりました」で終わるのではなかろうかな。


とはいえ伝統的日本企業の「コミュニケーション=飲み会」文化に辟易しているのも確かだ。というか長年疑問に思っているのだが

「退屈な演説を黙って3時間聞き続ける」

のがなぜコミュニケーション活性化につながるのかどうしても理解ができない。結局私の意見に一番近いのは

楽しみ方に幅があるBBQを業務時間内、15時ころからやるのをオススメ。定時には一回締めて、飲みに行きたい人は飲みに行けばいい。楽しみ方に多様性がありながら大枠では同じ方向を向く、というのが大事。

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それが業務上に必要なことであるならば、業務時間に含めるべきだし費用は会社が持つべきだ。これは至極真っ当な意見だと思うのだがどうだろうか。

今手元にないのだが、G.M.ワインバーグの本にも「ある国では会社持ちで、ランチかおやつを出す習慣がある」と書いてあったような。こういうふうに何度も引用することになるのでワインバーグの本は侮れない。