スケジュールがなんだ

2014-08-19 07:18

去年、今年と続けて「9月末リリース」のアプリ開発をしている。この「期限」というのは実にバカバカしい。もちろん意味がある期限もあるのだが、私がやっている仕事に関してはこれがひと月や二月のびたところで会社の業績にもなんの影響も無い。ただ

「業績評価」

で評価する尺度がないから設定されているだけのことだ。

「工数の計算」と口では言えるが、「見積もりと実施の精度を高める」ことは「新しい事をいっさいやらないこと」である。過去に一度やったことの変形版ならかなりの確信度をもって期日を告げることができる。「今までにやったことがなく」「やってみなければわからない」ことの期日を断言できる人間は嘘つきである。

しかしながら不幸にしてこの「言い訳」はほとんどの会社では受け入れられない。かくして私としてはこの記事を読んでため息をつくしかない。

But the theory that Apple doesn’t have deadlines isn’t just slightly inaccurate, it couldn’t be further from the truth.

Not only does the company set internal deadlines, it also creates deadlines for deadlines that have their own deadlines. Every aspect of the company’s production cycle, from conception to ship date, is calculated. But — and this is a big “but” — what makes Apple different is that it is a company that is willing to move those deadlines. If a product in development isn’t ready to be released, the deadline is pushed back. If an idea isn’t perfect, or isn’t considered truly magical and delightful internally, it’s held back, revised, and the product given an entirely new launch date.

via: Daring Fireball: On Apple and Deadlines


期限は設定される。しかしその時点でAppleが定める品質に達していなければ、どの段階でも期限はのばされる。この単純な理屈がなぜ通らないのだろう。

理由は簡単で、管理者に「結果とプロセスを評価する自信」がないからだ。ところが期限を設定すれば「期限からおくれたから一点減点」と自信をもって(!)従業員の評価ができる。逆にゴミのようなアプリでも「リリース1ヶ月前倒し!」といえば「スケジュール短縮したから一点追加」となる。ああ、バカバカしい。

この「従業員の業績評価」というのは、そーろそろ見直してもいいんじゃないだろうか。いろいろな人や組織が「定量的評価」を掲げているが、誰もそれにまともに成功していない。無理に「定量評価尺度」を持ち込めばこんなことになる。じゃあどうすればいいのだろうか?