科学の限界

2014-09-01 06:52

などと書くと、お前は科学の何を知っているのだということになるだろうがまあそこは見逃してください。こんな実験がなされたのだそうな。

また同時に公園の許可を得て観測所を設置し、広大な国立公園に点在する石の観察を始めました。チームの一人Ralph Lorenz 氏いわく「史上もっとも退屈な実験」。

Norris 氏も、石が動くのを目撃するまで5年から10年はかかると見込んでいたため、開始から2年で確認できたのは幸運だったと述べています。

via: 動画:謎の自然現象「デスバレーの動く石」の仕組みを解明。GPS内蔵石で潜入調査 - Engadget Japanese


デスバレーでは石が動く。その仕組みは今回初めて明らかになったらしい。動く事は知られていたが、その理由は今までわかっていなかったのだ。

ここで言いたい事は

私が知る限り科学というのは「どのように振る舞うか」を客観的に記述する物だと思う。仮説があってそれを検証できたり反証できたりしないといけないわけだ。

ところがこのように「数年に一度ランダムに発生する」事象というのはそうした「検証、反証」が非常に難しい。今回の場合「確かに石が移動している」という事実があったので、それでも実験が行われたが「過去に何度か”石が動いた”と証言する人がいる」では多分「それは見間違いだろう」で片付けられていたと思う。

かなり昔mixiに書いたことだが、例えばこんな「事実」があったとする。数十年に一度、世界中のどこかでランダムに「2回だけ正確に未来を予測できる」能力をもった子供が生まれる。

もしこんな事実があったとしても、それはおそらく「科学の俎上」に乗らないと思う。実験できないからだ。怪しげな話として「東日本大震災を正確に予言した子供がいた!」と東スポあたりにのっておしまいだろう。仮に誰かが検証しようとしても、もうその子の予知能力は失われている。仮にあと一回残っていたとしてもそこでおしまい。

しかし

科学の俎上に乗らない、ということと「そうした事実は存在しない」という認識は一致していない。科学的な方法論ではそうした事実は捉えられない、というだけの話だ。それは地球から月の裏側が観測できないから、月には裏側がない、といっているに等しい。

こういう「実際に存在するのだが、科学の枠組みではどうしても捉えられない事象が、世界に大きな影響を与える」ネタを考えるとSFなんぞ書けるような気がするが、こんなことは既に何人もの人がネタにしているのだろうな。