MVNOラッシュの理由?

2014-12-02 06:56

以前勤めた会社で最初に担当したのがMVNEの仕事だった。その会社は端末と回線を借りていろいろな会社に自分たちのブランドで携帯電話をだすことを助ける事業を試みていた。

不幸にして、当時はまだガラケーの時代だった。富士通に行けば

「スマホは話題になっているだけで、シェアなんか全然ありませんよ」

と担当者が胸をはっていた時代だ。しかしエンジニア的観点からしてガラケー上アプリの制約の多さには悩まされた。画面の一部を使って動画を表示することすらできない。結局我々はプロジェクトの途中で仕事を失った。

その会社はしばらくして「タイガース携帯」「ジャイアンツ携帯」などを出した。彼らが構想として使っていた画面に一部話我々の提案の面影が見えたのは懐かしい思い出である。そう考えれば、当時はまだ「野球ファン向けの携帯」が商売になると思われていたのだな。これも今から考えれば意外だ。

それから6年あまりで構図は激変した。誰もガラケーなど目もくれない。未だに主流は3大キャリアだが、MVNOへの参入が後を絶たない。

時事ドットコムによると、日本郵便が格安スマートフォン事業(MVNO)に参入する計画なんだそうです。予定時期は2015年度中。来年には郵便局でスマートフォンの契約を申し込む姿が見られるかもしれません。

引用元:郵便局がまさかの格安スマホ市場に参入? : ギズモード・ジャパン

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は12月1日、モバイルブランド「TSUTAYA mobile」を立ち上げ、2015年秋から全国のTSUTAYA店舗でオリジナルスマートフォンを販売することを発表した。端末や料金の詳細は今後発表するとしている。これにあわせて、新会社CCCモバイルを設立した。

引用元:CCCがモバイル事業に参入--TSUTAYA店舗で独自スマホを2015年秋に発売へ - CNET Japan

これだけいろいろなところが参入するのはどうしてだろう。3大キャリアの使用量が高止まりどころかどんどん上がっていくことから、「パック旅行ではなく、フリー旅行」を選ぶ人がこれから増えるといろいろな会社が判断しているのだろうか。あるいは名前がでてこないMVNEが存在しているのだろうか。

おそらく今の「常識」として、タイガース携帯のような形より、スマホ、回線をセットで安く提供すれば十分に元が取れるということになっているのだと思う。逆に言えばそれだけ3大キャリアが利益を貪っているということにもなる。

などと考えると、やはり「携帯電話会社Apple」を夢想したりもする。Appleはデバイスの会社。デバイスを使いやすくする上での最大の障害はキャリアだ。それを彼ら自身が面倒を見る。そして現在キャリアと呼ばれている会社は土管屋となり、、、ってこれは前にも書いたな。

携帯電話会社Appleと中小のMVNOがAndroidで残りのシェアを奪い合う姿。そんなことは考えられないというのは簡単だが、2007年からたった7年でこれだけの変化があったのだ。これから5年で何が起こっても不思議ではない。ああおもしろい。