不確かな未来

2015-02-26 07:05

少し前のことだがこういうTweetが話題になっていた。

今日教授から「学生は1年留年すると100万そこらの損失だと思ってるようだけど,実際は定年が1年早くなるんだから生涯年収は大体1000万ほど下がるんだよね~」という話を聞きました.加えて,「それと就活も難しくなるし,家賃諸々含めれば1500万は...」という辺りで耳をふさぎました.

引用元:Alt+F4曰く,さんはTwitterを使っています: "今日教授から「学生は1年留年すると100万そこらの損失だと思ってるようだけど,実際は定年が1年早くなるんだから生涯年収は大体1000万ほど下がるんだよね~」という話を聞きました.加えて,「それと就活も難しくなるし,家賃諸々含めれば1500万は...」という辺りで耳をふさぎました."


バカが


世間知らずの教授さんに教えてあげよう。高校時代の同期で一浪の末私と同じ大学にはいった男がいた。そいつは大学でも1年留年した。その事実を知ったとき私は彼にこう言った。

「一浪、一留でこれからどうするんだ」

私は「最短距離」で大学を卒業し就職した。それから月日は流れ私が43歳の時の高校の同期会である。その男に今何やってるんだ?と聞くと

「俺、もう一生の3回分くらい稼いだからまた大学でも行こうかと思ってるんだ」

そういった彼は今イギリスで投資ファンドのCEOになっている。現役合格、4年で卒業の私は毎月銀行口座の残高を見てため息をついている。

こういうことだ。おそらく今の学生が社会人として歩んでいく世界は、私が歩んできたものよりずっとバラエティに富んだものになる。「一年留年すると生涯賃金が」なんてのは昭和時代の戯言だ。

そう思えば、私が辿ってきた道は生涯賃金をごりごり減らすものばかりだったなあ。時々考える。最初にはいった会社に今もいたらどうなっていたのだろう、と。今頃(というか大分前から)子会社に片道で出向し、作業着を着、田んぼにかこまれた工場の中でAppleのニュースを遠雷のように聞いている。自分には他にどんな道がありえたのだろうなどと時々考えながら。

そしてそうした道の方が生涯賃金が高かったこともまず疑いはない。